中国、23年自動車輸出は過去最高 輸入は低迷

2024/02/7 14:30

中国の自動車輸出市場が2023年に過去最高を記録。その一方で、中国の輸入車市場は低迷し、二極化の様相を呈している。中国乗用車市場信息聯席会のデータによると、2023年における中国の自動車輸入台数は、前年比8.9%減の79万9000台と10年ぶりの低水準に落ち込み、輸入額も前年比5.8%減の3321億3000万元(約6兆8500億円)となった。

2023年の輸入車市場の落ち込みは、主に新型コロナウイルスとチップ不足の影響に加え、経済の不確実性と輸入車製品の現地化傾向によるものだ。特に、中国市場におけるポルシェ、ベントレー、ランボルギーニ、フェラーリなどの超高級車は、いずれも程度の差こそあれ売上が減少した。

在庫に関しては、輸入車の在庫係数は上昇を続け、2016年の約3ヵ月から2023年には4.9ヵ月となり、市場需要の低迷を反映している。しかし、輸入車市場に占める高級車のシェア率は2017年の77%から2023年には約90%に上昇し、富裕層の購買力が高まっていることがわかる。

かつて輸入車は、富の象徴だったが、BMW X5など一部の高級モデルが中国で現地生産されるようになり、輸入車は減少した。加えて、中国における新エネルギー車の急速な発展も、輸入車の減少に拍車をかけている。

新エネルギー車に関しては、テスラのモデル3が中国国内で製造を開始すると、2020年の輸入新エネルギー車の販売台数は激減し、2023年に回復に転じたものの、厳しい状況は続いている。

全体として、輸入車市場は、サプライチェーンの問題、現地化競争、新エネルギーモデルの台頭など、複数の課題に直面している。今後の見通しとしては、中国の輸入車市場が100万台時代に戻る可能性は低く、市場構造と消費動向の変化が輸入車市場の発展に影響を与え続けるだろう。

(中国経済新聞)