マカオ、4月に競馬を廃止

2024/01/19 08:30

「マカオ日報」は1月16日、マカオ政府の複数の部門が15日午前に行った記者会見で、行政法務庁の張永春長官が4月1日に競馬の経営権契約を解除すると発表したと報じた。政府は2018年に、競馬の運営会社との間で、契約期間を2018年3月1日から2042年8月31日の24年半延長することで合意していた。しかし会社側は去年、政府に対し、経営が厳しくなった上に競馬が今の世の中にふさわしくなくなっているとの理由で、契約の解除を申し出た。これを受け政府は、このところ地元住民や観光客の競馬人気が落ちていること、また競馬を禁止する国が現れていることを踏まえ、検討の結果、申し出を受け入れることにした。会社側は、影響を受ける従業員へ法律に則った適切な処遇をすること、来年3月31日までに馬を妥当な形で海外へ移送することを約束した。所属する馬の数は引退馬、練習馬も含めて計289頭という。

会社側が15日午後に行った記者発表会によると、1991年に運営を引き受けてから累積赤字額が25億パタカ(約456億円)に達しているという。競馬場はタイパ島にあり、かつてのトロッティング競馬場であり、1980年に完成したアジア屈指のターフだったが、1988年に休止となった。翌1989年に台湾の財閥が平地競馬(平地競走)を始めたが、深刻な財政危機に陥った上、社会的な混乱も引き起こした。後にカジノ王のスタンレー・ホーが所有する信徳集団が3億パタカ余りで買収し、レースを続けた。馬券の売上高は、2003/2004年のシーズンに90億パタカ(約1643億円)に達した。

今回の廃止決定に対し、香港競馬会は遺憾の意を表した。香港では、マカオには競馬場のほかにアジア最後のドッグレース場「逸園カニドローム」もあったが、2018年7月に閉鎖されて80年余りの歴史の終止符を打った、と報道されている。

(中国経済新聞)