飛行機の機体に乗客が硬貨投げつけ 身柄拘束で取り調べ

2023/10/31 11:30

中国南方航空は10月29日夜、この日9時、CZ3121便(広州-北京大興)に搭乗予定の乗客が機体に硬貨を投げつけ、直ちに調査をしたところ機体の下で硬貨2枚を発見したと発表した。安全を確保するためこの飛行機は全面的な検査が行われ、問題のないことを確認した後13:29に離陸し、16:00に北京に到着したという。硬貨を投げた乗客は公安当局に連行され、取り調べを受けている。

APPの航旅縦横によると、CZ3121便は10月29日午前10時に広州の白雲空港を出発し12時55分に北京の大興空港に到着の予定であったが、北京着は3時間5分遅れの午後4時となった。

中国では、飛行機の機体への硬貨投げ込みが後を絶たない。2019年4月には広西自治区南寧で、中国南方航空の便が、機体の下に硬貨が投げつけられて遅延した。南方航空によると、硬貨を投げた乗客は飛行機は初めてのとのことで、安全を祈ってドアとブリッジの隙間から硬貨を6枚投げた。硬貨はすべて拾われ、78分遅れで離陸したという。

また2019年9月、医科大学を卒業し大学院受験を目指していた23歳の王さんという女子学生が、「安全祈願」として降りる際に駐機場に硬貨を投じた。搭乗中にいとこの子供が下痢になり、硬貨を投げれば災難を避けられるという故郷の言い伝えを思い出したという。法律違反とは知らなかったと言う王さんに罰金200元が科せられた。

法律の専門家である岳屾山氏は、「祈願」として飛行機に硬貨を投げ込むのは会社の活動を乱す違法行為である上、深刻な結果や損失を招く恐れが高いと述べている。中国でこうした行為は「治安管理処罰法」により警告もしくは200元以下的罰金が科せられ、悪質な場合は5日以上10日以下の拘留処分となる。さらに、航空会社は損害を受けるので賠償金を請求する権利がある。

(中国経済新聞)