上海証券取引所の元副総経理が公職を追放

2023/10/24 14:30

中央紀律委員国家監督管理委員会の中国証券監督管理委員会駐在紀律検査監察グループ、浙江省監察委員会は10月20日、上海証券取引所の副総経理であった劉逖氏を取り調べた結果、複数にわたる重大な違法行為が発覚したと発表した。

汚職の摘発に力入れている中国で、上海証取は2023年5月には共産党書記や浙江省副省長も務めた元総経理の朱从玖氏が取り調べを受けており、今回またもトップ級の処分となった。

劉氏は公開資料によると、1968年生まれで、1998年から25年間にわたり上海証取に勤務し、同所研究センター副主任、デリバティブ品業務総監などを務めた。

劉氏は2017年2月に市場リスクコントロール・業務革新専業委員会の副主任委員となり、2019年3月に副総経理に就任した。そして在任中の2023年4月に取り調べとなった。

経済学の博士号を取得し、学術著作を10作以上発表している劉氏は、業界内では「学者型幹部」と見られていた。今回の処分理由の一つに、幹部のリーダーでありながら資本市場の「専門学者」を鼻にかけてしかるべき政治的立場や紀律を守らなかった、とされている。

また政府紀律委員は劉氏について、倹約を定めた政府の「8項目の規定」に違反して管理の対象から何度も高額の接待を受け、公正な公権力の行使に支障が出るほどの金品を受け取っていたと指摘した。さらに身上経歴書の改ざんや偽造をし、「偽装離婚」で組織を騙し、規定通りに本人関連事項を報告しなかったほか、職権の乱用や職務の利用による公共資産の横領をした。また上場予定の複数社に架空の出資をし、上場などの際に他人に便宜を図って富を手に入れ、見返りとして巨額の金品を受け取っていたという。

(中国経済新聞)