中国の不動産大手「碧桂園」について、またもうわさが立ち込めている。広東省仏山市の副市長が調査グループを率いて立ち入り、さらに債務不履行のピンチに立たされていると伝えられた。これに対して碧桂園の関係者は、立ち入りについては否定し、債務については8月7日に子会社である碧桂園地産が、8月10日に支払い期限となる「20碧地02」の発行額13.6億元(約270億円)、額面金利4.19%の未回収債券の元金を前倒しで返済したと発表している。
最近、碧桂園がデフォルトになると伝えられているのは、近々複数の債務が期限を迎えることが理由とみられる。
アプリ「企業予警通」によると、碧桂園は現在、中国国内に計19件の債券があり、うち13.6億元(約270億円)の社債が8月10日に、58.3億元(約1158.6億円)の私募債が9月2日に償還期限となって、債務残高は39.04億(775.8億円)となる。その後30億元(596.2億円)相当の社債が11月20日に期限となり、残るは9.93億元(約197.3億円)となる。また傘下の融資法人も少量ながら3か月以内に期限となる債務を抱えている。
海外債券については、windのデータをまとめたところ、現時点で計20件、金額にしておよそ171億ドル(約2.45兆円)が存在し、このうち年内に期限を迎えるのは1件で、10月19日まで償還の4億ドル分(約572.3億円)である。
碧桂園の発表データでは、2022年末時点での利用可能現金は1475.5億元(約2.93兆円)で、うち無制限分が1282.81億元(約2.55兆円)、これに対応する短期債務(1年以内)が約937.08億元(約1.86兆円)(優先債、社債、株転換可能債、銀行その他借入金)となっている。
(中国経済新聞)