映画「封神第一部」興行収入230突破

2023/08/3 17:30

中国映画情報アプリの灯塔専業版によると、この夏に封切りされた「封神」が7月31日19時現在で興行収入11.6億元(約231.3億円)に達した。同じく映画情報アプリの猫眼専業版による国内の興収見積もりでは、上映2日目の14.23億元(約283.7億円)から23.84億(約475.3億円)に増えたという。

巨額の費用をかけた「封神」は、上映初日の興収が5000万元に満たず、「消えた彼女」「八角籠中」「長安三万里」など名作の揃った2023年夏映画の中で後れをとり、同時期に封切りされた「超能一家人」に及ばなかった。

しかし「封神」はその後徐々に巻き返し、上映首日に26.3%だった興収割合は先週末に40.5%に達した。さらに3週間目には、新作の「熱烈」が鳴り物入りで上映された中、1日の興収割合、スクリーン利用割合ともにトップに立った。

中国の大手ソーシャル・カルチャー・サイト「豆瓣」では、タイトルで「封神」、または「封神」が含まれたもの映像作品は、10点満点の評価でおよそ3点前後で推移していた。7月16日にヤオ・ディー主演のネット映画「封神:禍商」が配信されたが、それでも3.2点にとどまっている。これらの作品は、美的感覚のない派手なビジュアル、お決まりのストーリー、固定的なキャラクター、といった評価が下されている。

中国でも有名な怪奇小説である「封神演義」のストーリーは繰り返し映画化され、激変する商や周の時代で「善には善を報い、悪には悪を報いる」という道徳観念を描いている。評価すべきは文学性やアイデアより壮大なシチュエーションであり、想像をたくましくさせるものである。映画「封神」は、宋元の種本「武王伐紂平話」と明の時代の小説「封神演義」をモチーフとしており、制作側の狙いとして、原作における歴史面での縛りを捨て去り、今風の表現を目指している。

(中国経済新聞)