中国のEVメーカー「蔚来汽車」は6月20日、アブダビの投資機関CYVN Holdings L.L.C.と株の譲渡契約を結んだ。CYVNが蔚来に対し、新株の発行および現株の譲渡といった形で総額およそ11億ドル(1554億円)の戦略的投資をするものである。
CYVNはアブダビ財務省の出資による重要な直属機関で、スマート化やモビリティーについて投資や事業を手掛けている。
蔚来の創業者で会長、CEOである李斌氏は、「CYVNによる投資はスマートEV業界で蔚来が独自の価値を有していることの表れだ。今回の投資でバランスシートが一段と良くなり、事業の成長加速や技術革新、長期的な競争力の形成を引続き支えていくことになる。また今後はCYVNとの国際事業展開も期待している」と述べた。
蔚来は2023年第一四半期、売上高は前年同期比7.7%増、前期比33.5%減の106.765 億元(約2101億円)で、損失額は前年同期比165.9%増の47.395 億元(約933億円)、研究開発費は同74.6%増の30.756 億元(約605億円)であった。
また同じく第一四半期、自動車の納入台数は3.1万台で、2022年同期より20.5%増とかなりの結果を残した。車種の内訳は高級型SUVが1.04万台、高級セダンが2.06万台となっている。
第二四半期の納入台数予測では、前年同期比でおよそ0.2~8.2%減の2.3~2.5万台となっている。月別では4~5月が合わせて1.28万台、6月は1万台に回復の見通しである。
(中国経済新聞)