中国のデータアプリ「灯塔専業版」によると、夏季映画(6月1日-8月31日)の興行収入（前売り含む）は6月11日22時の時点で10.53億元（約206億円）となった。拓普諮詢（Tuo Pu Zi Xun）のCEOである程飛（Cheng Fei）氏は、「この期間中、すでに放映枠取得済みおよび放映待ちの作品から見て、興行収入は140億元から150億元前後（約2738億～2933億円）となる見込み」と述べた。

中国の映画市場はここ数年、コロナ禍にも見舞われながらも活況を呈しており、特に国内の作品やストーリーが一段と人気を呼ぶようになった。興行収入全体に占める国内作品の割合は、2020～2022年の3年連続で8割以上を占めている。

また2020年から2023年、年間興収ランキングの上位3作品はいずれも国内映画であった。作品別の興収ランキングを見ると、1位は2021年上映の「長津湖」（The Battle at Lake Changjin）、2位は2017年の「戦狼2」（Wolf Warriors 2）、3位は2021年の「你好、李煥英」（こんにちは、私のお母さん）で、50億元（約978億円）を超えている。

「你好、李煥英」（こんにちは、私のお母さん）

6月10日に行われた、上海映画祭の金爵映画開幕フォーラムで、共産党書記である中国電影集団の会傅若清長は、「ハリウッドを中心とした海外の作品は新しい発想や斬新なものが減っているので、中国の作品が大幅にレベルアップしている」と述べた。中国自身の情や道理に触れる物語の作品が続々と現れている上、技術的スキルや表現、監督の創作力やその手法も絶えず向上している。よって中国の作品は、文化的な自信やストーリー自体といった点で一段と観客を招いているという。

（中国経済新聞）