中国、ゲーム業界は2強状態に 上位10社の売上高1.6兆円、うち8割がテンセントと網易

2023/06/5 16:56

中国のゲーム業界は2022年、上場会社の多くが赤字を記録し近年にない不況に見舞われた。業界内では、2023年はこうした苦難も底を打って回復するものとの期待されている。

6月に入り、中国、香港、アメリカでそれぞれ上場しているゲーム会社の大部分が第一四半期の決算を発表した。売上高上位10社の合計額はおよそ810億元(約1.6兆円)で、このうちテンセントと網易の2社で8割以上を占めた。業界は大手に集中する傾向が一段と強まっており、この2社を除いた8社はいずれもゲーム関連の売上高を落としている。決算によると、新商品発売の間隔の問題や従来品の利用減、コストダウン・効率アップ、ゲーム利用時間の減少などといった要素が絡んでいるという。

コンサルティング会社「CIC」(灼識諮詢)の執行取締役である姜驍瀟氏によると、ゲーム業界は2022年に比べて回復傾向が鮮明で、関連銘柄の動きでもそれが見て取れるという。ただ2023年第一四半期は、力の入れ所である春節がコロナ禍を過ぎて初めて迎える大型連休という特別なものであった。

姜氏は、「全国的に大部分の人が里帰りをするなど、連休期間中は現場での活動がかなりの時間を占めた。また一方、利用されたゲームはほとんどが既存の大手のものであり、中堅クラスの各社は新品の発売に時間がかかり、売上高が一段と減少する結果となった」と述べている。

(中国経済新聞)