中国発の人気の動画配信サービス「Bilibili」は1月9日、アメリカ預託株式(ADS)を1株26.65ドル(約3520円)で計15,344,000株発行すると発表した。金額にして約4.1億ドル(約541.5億円)となる。
2023年初めてのアメリカでの中国概念株の発行となる。
またBilibiliは同じく1月9日、香港証券取引所で2022年1~9月の決算を発表した。売上高は前
年同期比15.8%増の約157.57億元(3069億円)、粗利益は約26億元(約506億円)、赤字額は
同27.53%増加の約60.11億元(約1171億円)となっている。
こうした結果から、Bilibiliは今後、付加価値サービスへの取り組みが一段と重要になってくる。
2022年1~9月におけるBilibiliの付加価値サービス事業の売上高は、前年同期より26.3%増えて63.65億元(約1240億円)となり、売上高全体の中で最高の40.4%を占めた。この主な理由は、大会員(有料会員)、ライブ配信などのサービス(動画、音声、アニメのプラットフォームでの有料コンテンツやバーチャルグッズの販売)を実施したことによる有料ユーザー数の拡大といった商業化を進めたためとしている。Bilibiliは、大会員やライブ配信の拡大によりこの分野は成長を続けると見ている。
またBilibiliは広告収入について、ブランディング広告、効果広告、オリジナル広告に分かれており、2022年1~9月は売上高における広告事業の割合は20%以上で、今後も増え続けると見ている。一方でEコマースなどその他の事業の売上は2022年1~9月、全体の12.4%にとどまった。Bilibiliによると、これらの事業における収入は見通しの利く範囲内では不安定であるが、大きな収入源ではあるという。
Bilibiliは本来、ゲームが主力であったが、現在は不確定要素が多分に存在している。モバイルゲームについては,新品種を打ち出したことで今回の決算期間では売上高が前年より2.1%増え、38.75億元(約755億円)となった。モバイルゲームは変動もあるが大切な収入源であるとBilibiliは見ているほか、他の分野についても、事業拡大に取り組むことで売上割合を伸ばしていくものと見ている。
(中国経済新聞)