広州富力地産の創業者、張力氏が贈賄の疑いにより英国で逮捕

2022/12/14 08:30

12月12日夜、中国不動産大手、広州富力地産(Guangzhou R&F Properties Co.,Ltd.)の共同創業者である張力(Zhang Li)氏が、米国で贈収賄の罪に問われ、その後、英国ロンドンの地元警察に逮捕されたというニュースが流れた。

これに対して広州富力地産は、「張氏は、サンフランシスコ公共事業部の元責任者を中国で接待し、ホテルに宿泊させたことで収賄罪に問われており、今回の件に対して法的措置を取る」と述べている。

Bloombergによると、ロンドンのウェストミンスター治安判事裁判所は12日、保釈金1500万ポンド(約25.4億円)で張氏の保釈を認めた。張氏はロンドンの高層マンション43階にある一室から外出することが禁じられており、担当者やカメラによって常時監視されている。今回の逮捕は、カリフォルニア州で建設プロジェクトを確保するため賄賂を提供した疑いによるとされる。

2015年8月、広州富力地産は傘下のフルパワー・プロパティーズを通じて、米国カリフォルニア州シリコンバレーのサンノゼ中心地に高級マンションを開発する「555 Fulton(フルトン)」プロジェクトを買収している。

(中国経済新聞)

 

2020年1月21日、サンフランシスコの公共事業部責任者であるモハメド・ヌル氏が汚職により逮捕された。ヌル氏に対する起訴状には、第三者である広州富力地産が逮捕されるに至った具体的な情報が記載されていた。フルパワー・プロパティーズが買収した「555 Fulton」プロジェクトについて、中華總商会の役員である黄永楽(Walter Wong)氏がヌル氏とのパイプ役として問題解決にあたったとされる。

 ヌル氏に対する起訴状によると、ヌル氏は2018年に先方(広州富力地産)が全額負担する中国旅行に招待され、10億ドル(約1378億円)の開発業者の私邸を訪問している。また、2000ドル(約27.5万円)相当のワインを受け取ったが、ヌル氏は法律に基づいた申告をしていなかった。