新エネ車メーカーの蔚来、1台売るごとに215万円の赤字を計上

2022/11/14 10:00

中国の新エネ車メーカー「蔚来」(NIO)は2022年第三四半期、売上高が前年同期比32.6%増、前期比26.3%増の130.02億元(約2539億円)で10期連続での成長を果たし、市場の予想値129.91億元(2536億円)も上回った。納入台数も前年同期比29.3%増の31607台で、四半期ごとの過去最高をマークした。第四四半期については、新車納入台数が4.3万~4.8万台、売上高が前年同期比75.4%~94.2%プラスとなる173.7億元~192.3億元(約3391億円~3754億円)と見積もっている。

「蔚来」(NIO)

ただし蔚来は、赤字額も増加の一途をたどり、第三四半期は41.1億元(約802億円)で、調整後の純赤字額は前期より58.3%増えておよそ35億元(約683億円)であった。これらの数字から、1台売るごとに計算上およそ11万元(215万円)の赤字が発生している。

また第三四半期は、粗利率が16.4%まで下がった。この理由について蔚来は1台当たりの電池費用の増大を上げている。同社の見積もりでは、炭酸リチウムの単価が40万元(約781万円)まで下がれば粗利率が4ポイント上がるという。会長でCEOである李斌(Li Bin)氏は、電池の価格が落ち着けば粗利率は20%~25%で推移すると述べている。

ただしリチウムの価格は青天井であり、11月10日、電池用炭酸リチウムの現物価格はまたも過去最高を更新し58.75万元/トン(約1147万円)となっている。

蔚来はまた、開発費用が増大して赤字に拍車をかけている。第三四半期の開発支出は過去最高となる29.4億元(約574億円)であった。この主な理由は電池やチップなどへの投資の拡大という。李氏は、「四半期ごとの開発費用は30億元(約586億円)を維持する。このうち、新たな2つのブランドの開発や電池、チップ、携帯電話などの新たな事業におよそ10億元(約19.5億円)を投入する」と述べている。

(中国経済新聞)