BYD、タイに工場を建設

2022/09/10 21:00

中国自動車メーカーのBYDは9月8日、タイに完成車の工場を建設すると発表した。

工場は2024年に操業開始予定で、タイ国内およびASEAN各国向けに右ハンドル車を年におよそ15万台生産するという。東南アジアではタイ、インドネシア、マレーシアで右ハンドル車が走行している。

工場は面積およそ96ヘクタールで、自動車、デジタル品、バイオテクノロジーなどハイテク産業を集めた1.33万平方キロメートルの「東部経済回廊」(EEC)に立地する。現地では、5-10年の免税対応、一部の企業を対象とした機械や原材料の輸入関税免除、高度な人材や研究者に対する所得税の減免などといった優遇措置が実施されている。中国は2019年以降、EECへの投資が国別で上位に立っている。

BYDアジア太平洋自動車販売事業部の劉学亮総経理は、「タイを選んだのは自動車産業の基盤がしっかりして、製造力が優れているからであり、この工場により新エネ車が現地でさらに日常生活に溶け込むだろう」と述べている。

タイ政府は、2030年に自動車全体の生産量のうち電気自動車(EV)の割合を30%とする予定である。

しかしEVは2024年以降、税の減免や購入補助金支給の対象が現地生産車に限定されるので、すでに工場を構えているメーカーが有利になる。中国勢では現在、上汽MG、長城汽車、BYDのみが工場を有している。

BYDは現在、ノルウェー、オランダ、スウェーデン、ドイツ、オーストラリア、ブラジルなどに進出しており、2022年8月には日本市場への参入を発表した。決算情報によると、2022年上半期の海外での売上高は前年同期比13.4%プラスの333.8億元で、売上全体の22.2%を占めている。

(中国経済新聞)