中国の白酒業界、減収減益が鮮明に、大手各社で二桁減も

2026/09/5 17:30

中国を代表する酒類「白酒」の市場が、厳しい調整局面を迎えている。上場する白酒メーカー各社が相次いで2026年上半期の決算を発表したが、業界最大手の貴州茅台と、前年の決算数値を修正した五糧液を除けば、多くの企業で売上高、純利益ともに二桁の減少となった。

今年第2四半期以降、各社は出荷ペースを落とし、流通在庫の削減を急いでいる。これまで中国の白酒業界では、メーカーが代理店や販売店に商品を送り込み、販売実績を積み上げる手法が一般的だった。しかし消費の伸びが鈍化する中、販売店に在庫が積み上がり、資金繰りの負担が大きくなっている。現在は「売上を増やす」ことよりも「在庫を減らす」ことが優先されている状況だ。

業界最大手の貴州茅台は、上半期の売上高が907億300万元で前年同期比1.47%増となったが、純利益は445億1700万元で1.95%減少した。注目されるのは販売ルートの変化である。直販部門の売上高は約520億元と約30%増加した一方、卸売・代理店向けは約387億元と21.6%減少した。

特に自社EC「i茅台」の売上高は約403億元と前年同期の約3.7倍に拡大し、グループ全体の売上高の4割を超えた。貴州茅台は今年、主力商品の「飛天茅台」を公式価格でオンライン販売するなど、従来の代理店中心の販売モデルから、消費者への直接販売を重視する方向へ大きく舵を切っている。

一方、業界第2位の五糧液は、上半期の売上高が284億1700万元で20.9%増、純利益は87億5300万元で89.3%増となった。ただ、この数字をそのまま「好業績」と見ることはできない。

五糧液は今年4月、2025年の決算について会計処理の修正を発表した。従来は商品を代理店に出荷し、代金を受け取った段階で売上高として計上していたが、実際には商品が最終消費者まで販売されず、流通在庫として残っているケースがあったためである。

修正後、2025年上半期の売上高は527億元から235億元へ半分以下に減少し、純利益も195億元から46億元へ大幅に下方修正された。このため2026年上半期の高い成長率には、前年の比較基準が大幅に低くなった影響がある。

実際、2026年第2四半期だけを見ると、五糧液の売上高は前年同期比13.2%減少している。販売による現金収入も上半期に63%減少しており、末端市場の需要が依然として弱いことを示している。

その他の大手企業も厳しい。山西汾酒、洋河股份、瀘州老窖、古井貢酒はいずれも売上高、利益ともに二桁減少となった。山西汾酒は売上高が12.2%減、純利益が24.3%減少した。

招商証券によると、貴州茅台を除いた白酒上場企業の上半期売上高は前年同期比12.8%減、第2四半期だけでは29%減少した。

中国ではかつて、高級白酒は宴会や接待、贈答品の象徴であり、「飲む酒」であると同時に「人間関係をつなぐ商品」でもあった。しかし現在は宴会需要の縮小、若者の飲酒離れ、企業接待の減少など、市場を取り巻く環境そのものが変化している。

白酒業界は現在、単なる景気循環ではなく、販売モデルと消費構造の転換という大きな試練に直面している。2026年下半期も減収減益傾向が続く可能性が高く、2027年に市場が本格的に回復するかどうかは、なお不透明である。

(中国経済新聞)