酒気帯び運転を止めなかった同僚6人に賠償命令 飲酒していない同僚にも責任

2026/08/14 12:00

中国・山西省晋中市で、同僚との食事後に飲酒運転をして事故を起こし、その後死亡した男性を巡り、同席していた同僚6人に計22万元余り(約506万円)の損害賠償を命じる判決が確定した。注目されるのは、飲酒していなかった同僚にも、安全確保を怠ったとして賠償責任が認められた点だ。

中国裁判文書網によると、晋中市中級人民法院はこのほど二審判決を公表し、同僚6人による控訴を退け、一審判決を維持した。

事故が起きたのは2025年3月15日午前0時37分ごろ。闫さんは、李さん、高さん、劉さん、南さん、武さん、樊さんの6人の同僚と飲食店で食事をした。食事会は劉さんが企画し、会計も負担した。

このうち南さんを除く全員が酒を飲み、闫さんは食事を終えると自ら乗用車を運転して帰宅しようとした。その後、道路脇の交通標識に衝突し、車が制御を失ってごみ集積所に突っ込む事故を起こした。

闫さんは事故で重傷を負い、意識不明の状態で病院に搬送された。その後、複数の医療機関で治療を受けたものの、同年5月9日に脳幹出血のため死亡した。治療期間は50日余りに及んだ。

遺族は同席していた6人を相手取り、34万元余り(約782万円)の損害賠償を求めて提訴した。

裁判所は、事故後に警察が同席者から聞き取った記録などから、闫さんを含む6人が食事中に大量の白酒やビールを飲んでいたことを認定した。一方、南さんは飲酒していなかったことも確認された。

裁判所は、闫さん自身については、十分な判断能力を持つ成人として、飲酒後に自ら運転したことから事故について主要な責任を負うと判断した。

しかし、同席した6人についても、闫さんが飲酒していることを知りながら運転して帰宅するのを止めなかったとして、一定の過失があると認定した。

特に食事会を企画した劉さんについては、他の同僚よりも高い安全配慮義務があったとして、損害の7%を負担するよう命じた。李さん、高さん、武さん、樊さんはそれぞれ3%、飲酒していなかった南さんも安全確保の義務を果たさなかったとして1%の責任を負うとされた。

裁判所が認定した闫さんの死亡による損害額は111万7856.49元(約2571万円)。このうち、劉さんには7万8249.95元(約180万円)、李さん、高さん、武さん、樊さんにはそれぞれ3万3535.69元(約77万円)、南さんには1万1178.56元(約26万円)の支払いが命じられた。

一審判決を不服として6人全員が控訴したが、二審の晋中市中級人民法院は控訴を退け、一審判決を維持した。

今回の判決は、飲酒運転による事故について、運転者本人だけでなく、飲酒を知りながら運転を止めなかった周囲の人にも、状況に応じて安全配慮義務が問われることを示すものとなった。特に、実際には酒を飲んでいなかった同僚にも責任が認められたことで、飲酒後に運転しようとする人を周囲がどう止めるべきかについても、改めて注目を集めている。

※金額は1元=約23円で換算。

(中国経済新聞)