天然の洞窟が“避暑リゾート”に 中国で広がる“涼しい観光”

2026/08/12 12:00

立秋を迎えても暑さが続く中国で、天然の洞窟を活用した新たな避暑観光が注目を集めている。

中国南西部の貴州省では、豊かなカルスト地形を生かし、各地の洞窟に「涼資源」を見いだして観光コンテンツとして活用する取り組みが進んでいる。天然の洞窟を歩きながら独特の地質景観を楽しめるだけでなく、洞窟内のカフェで涼を感じながら過ごしたり、水遊びや探検型アクティビティを体験したりと、楽しみ方も多様化している。

貴州省は山地が多く、大小さまざまな鍾乳洞や地下空間が広がるカルスト地形で知られる。これまで主に地質観光の資源として利用されてきた洞窟を、避暑やレジャー、飲食などと組み合わせることで、新たな観光需要を掘り起こしている。

洞窟の内部は外気の影響を受けにくく、夏でも比較的涼しい環境を保つことができる。その特性を生かし、従来の「見る観光」から「過ごす観光」へと、洞窟観光のスタイルも変化している。

なかでも注目されているのが、洞窟とカフェを組み合わせた新しい観光スポットだ。自然の岩壁や地下空間を生かしたカフェでは、滝の水音を聞きながらコーヒーを楽しむなど、涼しさと非日常感を同時に味わうことができる。

貴州省安順市西秀区にある「翁布洞穴瀑布咖啡」では、訪れた観光客が滝の下で涼を楽しむ姿が見られる。自然の景観そのものを観光資源として生かしながら、飲食や休憩を組み合わせることで、滞在型の観光スポットとなっている。

また、洞窟探検や親水型アクティビティなど、体験型の観光コンテンツも登場している。観光客は洞窟の神秘的な景観を楽しむだけでなく、自然の中で涼を感じながらさまざまな体験を楽しめる。

各地では、それぞれの地域が持つ自然環境を生かし、洞窟資源と避暑観光を組み合わせる取り組みを進めている。

猛暑が続く夏の観光では、「どこを見るか」だけでなく「どこで涼しく過ごすか」も重要なテーマになりつつある。山々に隠れた地下の世界だった洞窟が、カフェやレジャー、探検を楽しめる新たな避暑スポットへと姿を変え、中国の夏の観光に新たな選択肢を加えている。

(中国経済新聞)