中国物流が堅調拡大 1~5月の社会物流総額146.6兆元

2026/06/30 09:04

中国物流・調達連合会と中国物流情報センターは6月28日、2026年1~5月の物流運行データを発表した。それによると、全国の社会物流総額は146兆6000億元(約2932兆円、1元=20円換算)となり、前年同期比5.2%増加した。物流市場は前年同期に比べて安定性が一段と高まった。

工業製品物流では、ハイエンド製造業が需要拡大の中心的なけん引役となった。1~5月の工業製品物流総額は前年同期比5.4%増加し、5月単月では4.5%増と前月から0.4ポイント改善した。電子部品、専用設備、自動車輸出関連産業の拡大が上下流産業の物流需要を押し上げている。

特に高付加価値分野の伸びが顕著で、5月のハイテク製造業向け物流需要は前年同月比15.1%増、設備製造業向けは9.5%増となり、いずれも前月を上回った。物流資源は産業チェーンの高付加価値分野へ一段と集中する傾向を示している。

輸入物流総額は1~5月に前年同期比2.6%増となったが、伸び率は1~4月に比べ2.4ポイント低下した。5月は鉄鉱石、石炭、原油など資源商品の需要減速を背景に輸入物流の伸びが鈍化した一方、集積回路や半導体デバイスなど高付加価値製造業向け中間財の輸入は引き続き増加し、産業高度化を支える需要の底堅さが示された。

消費物流では、ライブコマースなど新たな販売形態が成長を支えている。1~5月の個人・事業者向け物流総額は前年同期比4.0%増となった。伸び率はやや鈍化したものの、ライブコマースの小売売上高は前年同期比6.9%増と、1~4月より0.2ポイント上昇し、商業物流の新たな成長エンジンとなっている。

グリーン物流も堅調に拡大した。再生資源物流総額は前年同期比5.4%増と、社会物流全体の伸びを0.2ポイント上回った。5月にはリチウムイオン電池関連物流が40.0%増、生物由来化学繊維が18.1%増、炭素繊維・複合材料が13.4%増となり、低炭素製造や資源循環分野の物流需要が着実に拡大している。

中国物流情報センターの胡焓・副総経済師は、「物流需要全体は安定した成長を維持する一方、新旧の成長エンジンの転換が加速している。高付加価値産業や新興分野の物流需要は従来産業を大きく上回る伸びを示し、社会物流全体の成長を支える主要な原動力となっている」と分析した。

一方で、物流企業を取り巻く経営環境には依然として課題も残る。5月は道路輸送や宅配便など一般物流分野で需給に余裕があり、サービス価格には下押し圧力が続いている。

胡氏は、「物流業界は短期的には伝統産業の需要低迷や収益性の低下といった課題を抱えているが、ハイエンド製造、グリーン循環、越境物流など新たな成長分野が拡大しているほか、複合一貫輸送、サプライチェーン全体を対象とした物流サービス、物流金融などの新たなビジネスモデルも着実に普及している」と指摘した。その上で、企業活動期待指数は55.9%と高水準を維持しており、新たな生産力の育成と産業高度化が進む中、中国の物流業界は今後も安定成長と構造高度化を両立させる展開が期待されるとしている。

(中国経済新聞)