全国統一の大学入試が終了した中国は今、観光地が受験生の誘致合戦をしている。現在は各地域や都市で、2026年6月~8月の間、高校や大学の入試の受験者を対象に、受験票と身分証を提示すれば観光地内の入場を無料とする措置が打ち出された。また、受験生の家族や一般の生徒は入場料を半額とする措置も打ち出されている。
四川省の観光地である都江堰や楽山大仏などは6月9日、今年の全国統一高校入試や大学入試に臨んだ受験生に対し、無料キャンペーンを実施すると発表した。実施期間は楽山では6月10日から、都江堰では7月1日からで、いずれも夏休み終了までである。
また安徽省黄山市は、6月10日~8月31日の間、黄山風景区も含めて4A以上の有料観光地9か所について、今年の高校、大学入試の受験者と、全日制大学以上の受験生(高専、大学および大学院、博士課程志望者)に対し、入場料を無償化する(団体は除く)。

さらに重慶市も各区や県で、大学入試が終了した6月10日に、武隆の大裂谷、奉節の白帝城·瞿塘峡、江津の四面山、雲陽の張飛廟といった著名な観光地が、今年の全国統一の高校、大学受験を受けた人は入場を無料とすると発表した。また同行する家族も割引料金を適用する。
湖北省の武当山も同じく、今年の高校・大学の受験生や、高専、大学に入学予定の人を対象に、通しの入場券を無償とし、乗車券を半額、ロープウェイ代を2割引きとする。さらに同行の親族1人ないし2人に対し、通しの入場券を半額とする。また中国全土の在校生に対し、武当山入場の通し券および乗車券を半額とする。
四川省ガイド協会の会長で、四川師範大学労働・実践教育研究院の院長である陳乾康教授は、「例年高校入試や大学入試一が終わると観光地は活況を呈する。またあと1か月経てば学校が休みに入るので、観光地に人が集まって観光市場全体が値上がりする」と述べている。
陳教授は、「冬休みや夏休みの国内旅行について、利益全体のうち小中学生やその親によるものが半分前後、あるいはそれ以上を占める」という。この市場はかなり大きく呼び込み効果も相当のものという。
陳教授によると、四川省のある観光地が去年の「秋休み」期間中、小中学生に対し入場料を無料にしたところ、収入は減らずむしろ収益が大幅に増えたとの推計結果を発表した。子供は無料だが親は有料であり、飲食や宿泊などの消費が加わって収益は全体で増加したという。
観光業界はこのところ、小中学生など就学者を重視するようになり、これらの層は去年から国の消費拡大政策の対象となるなどランクが押し上げられている。
実績を見てみると、春休みや秋休みで家族旅行が大幅に増えている。旅行会社のトリップドットコムによると、浙江省では秋休み中に省内を出発する航空便について、親子での予約数が去年の314%増となっている。また同じく旅行会社のQunar(去哪儿)によると、四川省内の観光地は2025年11月12日~16日の秋休み中、入場券の予約数が去年の4.4倍であった。
陳教授は、「観光が変化し、観光客も変化したことで、従来の旅行会社やガイドも変化している」という。以前のような団体型では収益があまり伸びなくなり、利用者もまたどんどん減ってゆく見込みである。今は財布のひもを引き締める家庭が増えているが、学生の修学旅行や春休み、秋休みの観光など、子供に対する出費は重視しており、こうした需要が観光市場において必要な存在になっている。
陳教授によると、観光市場全体における就学者の位置づけについて、①「大研学」と呼ばれる学校単位での修学旅行、②「小研学」と呼ばれる春休みや秋休み、冬休みや夏休みの修学ツアー、③冬休みや夏休み中に親に連れられて出かける家族旅行、の3つに分類している。「目的地も宿泊地も観光地も大いに歓迎している」とのことである。
(中国経済新聞)
