2026年1月4日、南京市の江蘇省南京市中級人民法院は、蘇寧電器集団(Suning Appliance Group)など38社の再建計画を承認する民事裁定を下した。これにより、創業者の張近東が築いた小売帝国は大きな転換点を迎えた。
再建の対象となった38社の総債権額は2387.3億元(約5兆円)に達する。一方、資産の清算価値は410.05億元(約8600億円)にとどまり、3105の債権者が再建の行方を見守る状況となった。
再建計画では、張近東は株主としての権益を無償で譲渡し、個人資産をすべて再建信託に拠出する形で責任を負うことになった。さらに、劣後責任の立場で連帯責任を引き受け、債権者が全額の弁済を受けるまで責任を担うとされた。
張近東は2025年、蘇寧創業32周年の社内会合で、「私は一生、小売という仕事しかしてこなかった。蘇寧にも小売にも強い思い入れがある。わずかな希望でもある限り、最後まであきらめない」と語っていた。
張近東の起業は1990年にさかのぼる。26歳だった張近東は南京市鼓楼区工業総公司を退職し、10万元(約210万円)の貯金を元手に、南京市寧海路に家電販売店「蘇寧交家電」を開いた。当時の中国の家電市場は国営百貨店が主流だったが、蘇寧は低価格販売と無料設置サービスを組み合わせることで顧客を獲得し、南京で急速に存在感を高めた。
