中東情勢の緊迫化で風力発電関連株が急騰 中国企業に海外からの受注が急増

2026/03/13 11:15

3月12日、中国のA株市場では風力発電関連銘柄が大きく上昇した。取引所のデータによると、風力発電や電力エネルギー関連企業である国能日新(State Power Rixin Technology)、三一重能(SANY Renewable Energy)、吉林化繊(Jilin Chemical Fiber)、緑発電力(China Green Electricity Investment)、建投能源(JianTou Energy)、協鑫能科(GCL Energy Technology)、大金重工(Dajin Heavy Industry)、節能風電(CECEP Wind-Power)などがいずれも10%以上の上昇を記録した。

今回の風力発電関連株の急騰の背景には、中東情勢の緊迫化がある。エネルギー安全保障への懸念が高まる中、欧州では再生可能エネルギーへの需要が急速に拡大しており、中国の風力発電関連企業への注文が急増している。

中国メディアの報道によると、ドイツ北海から英国東海岸にかけての海域では、エネルギー供給の安定確保を目的とした洋上風力発電プロジェクトの導入が加速している。中東の戦火が欧州各国のエネルギー安全保障への不安を強めたことが、その背景にある。

風力発電設備メーカーの大金重工(Dajin Heavy Industry)の国際事業責任者は、欧州顧客の発注ペースが大きく変化したと明らかにした。これまで欧州企業の発注は計画的に進められていたが、現在は「生産能力の早期確保」「原材料の前倒し投入」「船積み日程の前倒し」などを求める動きが強まっている。調達に関する意思決定の期間も、従来の3~6か月から1~2か月へと大幅に短縮されたという。

同社の海外受注残はすでに100億元(約2000億円)を超え、生産計画は2027年まで埋まっており、一部の生産能力確保契約は2030年まで及んでいる。

海底ケーブルメーカーの東方電纜(Orient Cable / Ningbo Orient Wires & Cables)の董事長も、欧州市場での需要拡大を指摘する。欧州では洋上風力発電の導入が加速している一方、現地の海底ケーブル生産能力が不足しており、これが同社の海外事業拡大の主な原動力となっている。欧州の海底ケーブル生産ラインはすでに2030年頃まで稼働予定が埋まり、需給のギャップが拡大しているという。

また、風力発電設備メーカーの天順風能(Titan Wind Energy)は、最近のイラン情勢の緊張の高まりを受け、同社の生産拠点について、取締役会が試験生産段階からフル稼働体制へ移行することを決定したと明らかにした。

業界大手の金風科技(Goldwind)も、今年2月の決算説明会で欧州市場の需要急増に言及している。欧州各国がエネルギー自立を強く求めていることが発注の優先度を押し上げ、顧客の意思決定期間は従来の3~6か月から1~2か月へと短縮された。同社の海外受注は2025年に前年比150%増となる見込みだという。

風力発電関連産業の展望

風力発電部品メーカー

風力発電設備は部品の精度や信頼性に対する要求が非常に高い。国内外で風力発電の導入容量が着実に拡大する中、特に洋上風力発電プロジェクトの加速により、ギアボックス、ブレード、タワーなどの主要部品を量産できる企業には受注拡大の機会が広がっている。技術力を持つ業界大手は競争優位をさらに強めるとみられる。

風力発電設備メーカー

風力発電産業の中核を担う設備メーカーは、発電設備の設置需要の拡大から直接的な恩恵を受ける。技術力と量産能力を備えた大手企業が受注競争で優位に立ち、業界成長の恩恵を享受するとみられる。特に海外市場の開拓が進む企業では、さらなる収益拡大も期待される。

洋上風力発電事業者

洋上風力発電の開発は世界的に加速しており、海域資源の利用も拡大している。発電事業者はプロジェクトの送電網接続後、安定した収益を得ることができる。今後、洋上風力の設備容量が拡大するにつれて長期的な収益成長の確実性が高まり、優良な洋上風力プロジェクトを多く保有する企業では企業価値の回復も期待されている。

(中国経済新聞)