ZTE中興、2025年通期売上が過去最高 演算能力事業が急成長

2026/03/8 14:30

近日、中興通訊が発表した2025年通期決算によると、売上高は1339億元(約2兆8,100億円)となり、前年同期比10.4%増で過去最高を更新した。親会社株主に帰属する当期純利益は56.2億元(約1,180億円)、特別損益を除いた純利益は33.7億元(約710億円)。また、2025年度は純利益の35%に相当する現金配当を実施する予定。

中でも注目されるのが、演算能力関連事業の大幅な伸びだ。同事業の売上高は前年同期比約150%増と急成長し、全体売上に占める割合は24.6%に達した。内訳を見ると、サーバーおよび記憶装置事業の売上高は前年同期比200%超増、データセンター関連製品も同50%増となり、業績拡大を力強く支えている。

人工知能が事業構造の転換を加速 研究開発投資も拡大

事業別では、通信事業者向けネットワーク事業が引き続き中核を担い、売上高は628.6億元(約1兆3,200億円)で全体の46.9%を占めた。一方、政府・法人向け事業は前年から倍増し、通期売上高は372.2億元(約7,800億円)に達し、全社成長の新たな原動力となった。

同社は人工知能分野への投資も継続して拡大している。2025年の研究開発費は227.6億元(約4,800億円)と売上高の約17%を占め、その相当部分が人工知能関連の技術および製品開発に充てられた。

世界の通信業界では、通信量の急増やエネルギー消費の拡大、運用費の上昇といった課題を背景に、ネットワークの高度化と自律運用の重要性が一段と高まっている。

MWCバルセロナで人工知能時代向け新構想を発表

同社はMWCバルセロナ2026において、人工知能時代に対応した移動通信ネットワーク基盤「AIR MAX構想」を発表した。この構想は、人工知能を前提とした基盤設備、高度自律運用(L4相当)、収益化を支える仕組みの三層構造で構成され、ネットワークを「人工知能を支える基盤」から「人工知能を内包し、人工知能にサービスを提供する基盤」へと進化させることを目指している。

生成系人工知能の普及を受け、世界の大規模計算基盤は高密度・高出力・高効率化の段階に入った。大規模モデルの学習や推論の拡大により、電力供給能力、接続帯域、冷却性能、設備拡張の柔軟性がこれまで以上に重要になっている。

中興通訊の高効率型データセンター構築方案は、「部品の規格化により建設期間を40%短縮」と「複数経路の液体冷却方式と800ボルト高圧直流給電により電力効率を25%向上」するなど、消費電力と電力使用効率の管理面で高い競争力を持つ。

第5世代通信高度化が本格普及 第6世代通信も技術準備進む

次世代通信分野では、第6世代移動通信の標準化作業が本格化している。国際電気通信連合(ITU)は第6世代通信の最低性能要件を策定し、研究中心の段階から実装準備段階へ移行した。

業界では、第6世代通信は「空・宇宙・地上の統合通信網」「通信と感知機能の融合」「超高度知能接続」を柱に、従来の10倍以上の性能向上と新たな商業モデルを生み出すと見込まれている。

中興通訊は2025年、第5世代通信高度化技術の大規模商用化を実現し、空と地上を統合する通信網や電源不要型モノのインターネット技術の高度化を推進している。第6世代通信関連の特許保有件数は1万件を超え、空と地上の統合分野における標準化提案数は世界上位3位以内に入るなど、無線分野の人工知能活用や知能型電波制御技術の研究でも先行している。

また同社は、中国電信と共同で「第5世代通信高度化・分散型ネットワーク構想」を発表。複数基地局の協調制御、資源の高度配分、信号の統合処理技術で成果を上げた。浙江および上海での実証実験では、周波数利用効率が21.5%向上、通信容量が20%以上増加する成果が確認された。

端末側人工知能の進化により、人工知能対応スマートフォン、家庭用知能中枢機器、無線固定通信端末が新たな成長分野となっている。端末は単なる通信機器から、生活場面に密着した知能型インフラへと進化し、メーカー間の競争軸も機器性能から人工知能の統合力や生態系構築力へ移りつつある。

同社は家庭向けに「双脳双画面・全域知能接続」対応の人工知能中枢表示装置を投入。娯楽、通信、防犯、家電制御を一体化し、家庭における人工知能の中核機器としての位置付けを強めている。

スマートフォン分野では、傘下ブランドがByteDanceと提携し、人工知能を基盤とする新型機種を投入。基本ソフト段階で人工知能機能を統合し、自然言語による複雑操作を支援することで、利用者の操作負担軽減を実現した。

家庭向け情報端末の年間出荷台数は2年連続で1億台を突破。宅内通信機器、IP方式映像受信機、無線固定通信および移動体向け通信端末の世界出荷台数はいずれも首位を維持している。

次世代製品として、人工知能と次世代無線通信規格に対応した宅内通信機器や、ミリ波対応の第5世代通信高度化端末も発表した。

「接続+演算能力」を軸に中長期成長へ

世界のデジタル基盤市場は、人工知能による構造再編、演算能力需要の急拡大、通信技術の世代高度化という三つの成長機会を迎えている。今後3~5年で、第5世代通信高度化の本格展開、第6世代通信の段階的実用化、大規模計算基盤の継続整備、端末の全面的な人工知能化が進み、産業全体に持続的な成長効果をもたらす見通しだ。

中興通訊は、安定した財務基盤、包括的な人工知能戦略、国際市場での展開力、継続的な研究開発投資を背景に、「接続」と「演算能力」を柱とした競争優位を確立。技術革新と事業化を両立させることで、世界的なデジタル高度化の進展とともに持続的な成長が期待されている。

(中国経済新聞)