3月4日の前場、中国の石油大手3社――いわゆる「三桶油」がそろって反落した。前日まで急騰していた反動から、短期筋による利益確定売りが広がった。
具体的には、中国石油天然気集団(PetroChina)、中国海洋石油(CNOOC)、中国石油化工(Sinopec)がそろって下落。取引時間中には中国石油化工と中国海洋石油が一時ストップ安水準に迫った。午前10時前後の時点で、中国石油天然気集団は約3%安、中国海洋石油は4%超安、中国石油化工は6%超安となった。
前日の3日まで「三桶油」は2営業日連続でストップ高を記録しており、急騰を受けて同日夜、3社はそろって株価の異常な値動きに関するリスク注意の公告を発表していた。
香港市場でもエネルギー関連株が全面安
香港株式市場でもエネルギー関連銘柄は総じて下落した。
百勤油服(PPS International Holdings、HK02178)は一時40%超下落し、その後下げ幅を22%前後まで縮小。中港石油は39%超安、MI能源(MIE Holdings)は17%超安、山東墨龍(Shandong Molong)は16%超安となった。このほか、中石化油服(Sinopec Oilfield Service)も15%超下落し、「三桶油」もそろって軟調な展開となった。
焦点はホルムズ海峡封鎖の行方
今後のエネルギー関連株の動向について、市場関係者の見方はおおむね一致している。最大の焦点は、イラン情勢とホルムズ海峡の動向だ。
石油ETFを運用する富国基金の葛俊陽氏は、市場の主な注目点は「イラン革命防衛隊が海峡封鎖を継続できるかどうか」にあると指摘する。足元では、イラン側に事態を拡大する意図が見られ、複数の石油・ガス施設が攻撃を受けているほか、ミサイルによる船舶への威嚇や、保険会社が戦争リスクに関する保険の引き受けを停止する動きも出ているという。
過去の事例をみても、紛争の初期段階では緊張が高まりやすい傾向があることから、短期的には原油価格は「上昇しやすく、下落しにくい」状態となり、値動きも大きくなりやすいとの見方を示した。一方で、中期的な地政学リスクの行方は予測が難しく、情勢が緩和すれば原油価格が急速に下落する可能性もあるとしている。
排排網財富の研究員、張鵬遠氏も「今回の相場は地政学的な情勢に強く左右されている」と分析。米国とイランの対立が続き、仮にホルムズ海峡が実際に封鎖される事態となれば、エネルギー関連株の強い地合いは維持される可能性があるとする。ただし、緊張が和らげば、紛争によって上乗せされていたいわゆる『地政学的な上乗せ分』は急速に解消されるとの見方だ。
急騰から一転して急落した「三桶油」。相場の主導権は依然として中東情勢が握っており、投資家心理は原油価格と地政学リスクの動向に大きく左右される状況が続きそうだ。
(中国経済新聞)
