1月28日から31日まで、英国首相キア・スターマー氏が8年ぶりに中国を公式訪問した。50社以上の英国大手企業幹部を伴い、経済・商業協力が主な議題となった。訪問中の1月29日、中英両国は複数の積極的成果を発表。その一つとして、中国側が威士忌酒の輸入関税率を10%から5%へ半減することを決定した。
これを受け、1月30日、国务院関税税則委員会が正式公告を発出し、2026年2月2日から威士忌酒(税則番号22083000)に対して5%の輸入暫定税率を適用すると明らかにした。この措置は、英国産(特にスコッチ)威士忌のほか、日本産、アメリカ産など他国産威士忌の輸入にも等しく適用され、業界全体に恩恵をもたらす。

背景を振り返ると、2024年末に発表された2025年関税調整方案で、威士忌とブランデーが「輸入商品暫定税率表」から除外され、従来の5%から10%へ引き上げられていた。それ以前の7年間は一貫して5%だったため、今回の引き下げは「上調1年後の速やかな是正」として注目された。
業界関係者によると、2025年に企業・業界団体が税率5%復帰を強く働きかけていたという。英国スコッチ威士忌協会(SWA)のマーク・ケントCEOは「中国は多くのスコッチ生産者にとって優先的な成長市場。この関税引き下げは、中国への輸出に新たな活力を注入する」と歓迎の意を表明した。
中国市場における威士忌の現状は独特だ。長江証券の報告書によると、2023年の中国威士忌消費量は世界全体のわずか0.4%に過ぎないが、消費単価は131ドル/リットルと、世界平均35ドル/リットルを大きく上回る。高端化・特定層向けの傾向が強く、高単価シングルモルトが人気を集めている。
2018年から2023年にかけて輸入量・輸入価格は順調に上昇したが、2024年は量価ともに下落(輸入量10.4%減、輸入価格22.9%減)。一方、関税10%適用となった2025年は輸入量が3.58万キロリットル(前年比22.6%増)と回復したものの、金額は4.46億ドル(同1.1%減)と微減にとどまった。
業界関係者は「威士忌の中国市場は中国白酒に似ている」と指摘する。2023年以前は高単価シングルモルトのブームで輸入量・価格が上昇したが、国際酒メーカーが財務目標達成のため中国代理店に大量プレス、在庫がチャネルに積み上がり、消費者の拡大が追いつかず需給が悪化した。近年は在庫高と価格下落が続いている。
今回の関税引き下げにより、輸入コストが低下し、価格競争力が回復する可能性が高い。ただし、端末価格への影響は限定的との見方が多い。すでに高水準の在庫と流通構造の影響が大きいため、即時的な大幅値下げにはつながらないと予想される。
中英関係の改善と経済協力強化の象徴として位置づけられる今回の措置は、英国威士忌産業に追い風を与える一方、中国の洋酒市場全体の活性化にも寄与するだろう。今後、関税以外の非関税障壁や市場アクセスがどう進展するかが注目される。
(中国経済新聞)
