中国国家統計局が1月31日に発表したところによると、2026年1月の製造業購買担当者指数(PMI)は49.3となり、前月から0.8ポイント低下した。あわせて、非製造業の事業活動指数は49.4、総合PMI産出指数は49.8となり、いずれも前月を下回った。これらの指標から、景気の持ち直しの勢いがやや弱まっていることがうかがえる。
中国物流・購買連合会の特約分析員である張立群氏は、「1月のPMIが再び景気の分かれ目である50を下回ったことは、景気回復の基盤がなお不安定であることを示している」と指摘する。需要不足の状態が続くなか、企業は市場動向や政策効果を見極めようとする姿勢を強めており、景気回復を支える基礎的な力の強化が課題となっている。
製造業は需要が鈍化、価格環境には改善の兆し
1月の製造業PMIは49.3と、製造業の景況感にやや足踏みが見られた。中国物流情報センターの文韜氏は、「分野別に見ると、市場の需要はやや弱含んだものの、生産活動は引き続き拡大基調を保っている」と分析する。
需要面では、新規受注指数が49.2と前月から1.6ポイント低下した。背景には、寒さの厳しさや春節(旧正月)を控えた季節要因により、建設現場や工場の稼働が鈍ったことがある。また、前年12月に年間目標の達成を意識した生産や受注が前倒しで行われた反動も影響した。
輸出面でも環境の変化が見られる。1月の新規輸出受注指数は47.8と前月から1.2ポイント低下し、特に設備機械分野で減速が目立った。ただし、需要不足を感じている企業の割合は54.9と、前月より9.4ポイント低下しており、市場の先行きに対する過度な悲観はやや和らいでいる。
生産面では、生産指数が50.6と拡大圏を維持したものの、前月比では1.1ポイント低下し、伸びは鈍化した。
一方、価格動向には持ち直しの動きが見られた。主要原材料の購入価格指数は56.1、出荷価格指数は50.6となり、いずれも前月から上昇した。出荷価格指数が50を上回るのは約20か月ぶりで、製造業全体の価格水準が改善していることを示している。
ただし、原材料価格の上昇ペースが製品価格を上回っており、企業収益への圧迫は依然として大きい。企業調査では、1月に「利益が減少した」と回答した製造業企業の割合が34%を超えた。
景気の先行きは政策動向が鍵
東方金誠の主任マクロ分析担当である王青氏は、「季節的な要因や前月の高い水準、不動産市場の調整が続くなかで、1月の景気指標は全体として弱含んだ」と述べている。今後の製造業の景況感は、輸出の動き、国内不動産市場の行方、そして景気下支え策の実施時期や規模に左右される見通しだ。
王氏は、年初に打ち出された一連の構造的政策が効果を現した後、第2四半期には利下げや預金準備率の引き下げが行われる可能性があると予測する。財政面でも、消費の喚起や投資の拡大に向けた対策が一段と強化される余地があり、中国政府には引き続き十分な政策運営の余力があるとの見方を示した。
非製造業は建設業が低調、サービス業は底堅く推移
1月の非製造業の事業活動指数は49.4と、前月から0.8ポイント低下した。業種別では、建設業の景況感の悪化が全体を押し下げる一方、サービス業は比較的安定した動きを見せている。
建設業では、冬季の寒さによる工事量の減少に加え、春節を前にした労働者の帰省によって施工が一時的に中断される案件が増え、需要が先送りされた。
一方、サービス業の事業活動指数は49.5前後で推移し、大きな変動はなかった。金融業による実体経済への支援の継続、新たな成長分野の進展、消費関連サービスの底堅さが下支えとなっている。
特に、サービス業の先行きに対する見通しは改善している。事業活動の見通し指数は57.1と前月から0.7ポイント上昇し、2か月連続で改善した。春節消費への期待を背景に、小売、飲食、宿泊、鉄道・航空輸送、文化・娯楽関連の各業界では、景気の押し上げ効果に対する期待が高まっている。
専門家は、2月には春節消費の本格化によりサービス業の景況感がさらに改善し、その後は政策効果と需要回復を背景に、建設業を含む非製造業全体の回復が進むと見ている。
(中国経済新聞)
