売れ行き爆発!華為Mate80、1日平均5万台超の異例ヒット

2025/12/31 08:30

2025年末の中国スマートフォン市場で、華為(ファーウェイ)の「Mate80」シリーズが“現象級”とも言える大ヒットを記録している。第三者機関による信頼性の高い統計データによれば、2025年第51週時点で、同シリーズは発売からわずか23日間で累計販売台数123万台を突破。1日あたりの平均販売台数は5万台を超え、今年のフラッグシップモデルとして最速の初動記録を更新した。

この好調な販売を背景に、華為は中国スマホ市場のシェアで2週連続トップに返り咲き、王者復活を強く印象づける結果となっている。

注目すべきは、その販売構成に見られる明確な「実用主義」の傾向だ。Mate80シリーズの出荷台数は、標準版が圧倒的な主力となり、以下、Pro Max版、Pro版、最上位の「非凡大師(RS)」モデルが続く。

「ハイエンド機はPro版が販売を牽引する」という従来の業界常識を、完全に覆す形となった。

中でも特筆すべきは標準版の内訳である。定価5,499元(約12万2,870円)の16GB+512GBモデルがシリーズ全体の“爆売れモデル”となり、4,699元(約10万5,000円)のエントリーモデルの約5倍の販売台数を記録。これは業界関係者の事前予測を大きく上回る結果であり、「最初から十分なストレージ容量を選ぶ」という現在の消費者トレンドを如実に示している。

Mate80シリーズの急成長の背景には、製品力と市場ニーズの高い一致がある。華為の2025年フラッグシップとして、標準版は麒麟9020チップによる安定した性能、5,750mAhの大容量バッテリー、圏外時でも利用可能な緊急通信機能など、実用性を重視した仕様を備える。こうした特徴が、30〜50代の中年層という中核ユーザー層のニーズを的確に捉えた。

とりわけ16GB+512GBモデルは、「十分で、無駄がない」構成として、合理性を重視する消費者にとって“迷わず選べる一択”となっている。

この緻密な製品ポジショニングにより、Mate80シリーズは華為の旧機種ユーザーの大量回帰を促しただけでなく、Appleユーザーの3割超が乗り換えたとされ、同社のハイエンド市場での競争力を一段と強化した。 発売から数週間でこれほどの成果を上げたMate80シリーズは、価格戦略と技術力を両輪に、市場を制圧した成功例と言えるだ。

(中国経済新聞)