重慶市石柱土家族自治県冷水鎮は、重慶市と湖北省の境界に広がる武陵山脈の山間部に位置し、平均標高は約1,400メートル、森林被覆率は85%に達するなど、豊かな自然環境に恵まれている。近年、同鎮ではこうした生態資源と交通面での優位性を生かし、エコツーリズムを柱とした農村振興を着実に推進している。

冷水鎮は、G50滬渝高速道路に近い立地条件を背景に、「交通・生態・観光」を一体的に融合させた発展モデルを打ち出した。自然景観と滞在型観光を組み合わせた「冷水風谷レジャー・リゾートキャンプ場」を整備し、星空を楽しめる宿泊施設や森林の中の読書空間、森林浴を兼ねたウォーキングコースなど、多彩な施設を展開している。
こうした取り組みにより、特色ある民宿や自然体験型観光、休暇滞在型レジャーといった関連産業が育成され、これまで十分に活用されてこなかった農村資源の価値向上につながっている。観光客の滞在時間の延長や消費拡大は、地域の雇用創出や住民所得の増加にも寄与している。
冷水鎮の事例は、生態環境の保全と産業振興を両立させる「グリーン発展」の実践例として注目されており、エコツーリズムを通じて農村振興に持続的な活力をもたらしている。

石柱土家族自治県冷水鎮周辺の風景(ドローン撮影)
(中国経済新聞)
