“双11”ライブ配信で広東のイノベーションを発信 EC業界にとっての“祭り”であると認識

2025/11/12 12:30

第17回“双11(ダブルイレブン)”セールが終盤を迎える中、広東省ネット商業協会は11月10日、「新消費を語る 双11特別企画」と題したライブ配信イベントを開催した。司会は同協会の劉飛娜・執行会長兼事務総長が務めた。

小紅書(レッド)、冰泉(ビンチュエン)、可舒児(カシュール)、英紅(インホン)、齐心(チーシン)、科净威(コジンウェイ)、第一福(ダイイーフー)、楽比(ラービー)、三个魔発匠(スリー・マジックヘア)、甜秘密(ティエンミーミー)の10社の代表者が出演し、プラットフォームの“双11”施策やブランドの運営戦略、人気商品の販促情報などを紹介。ブランドの認知拡大や新規顧客獲得を後押しし、業界関係者に向けた実践的な事例共有の場となった。

配信は協会の公式ビデオチャンネルと抖音(ドウイン、中国版TikTok)の2つのプラットフォーム、さらに100を超えるプライベートコミュニティで同時に配信され、最終的な視聴者数は延べ3万人を超えた。広東のネット商家にとって“双11”最終盤の追い風となった。

小紅書、“好貨更好売(良い商品をもっと売りやすく)”戦略を紹介

プラットフォーム代表として登壇した小紅書は、今年の“双11”における「好貨更好売(良い商品をもっと売りやすく)」戦略を発表。「重点商品のチャンネル化支援」「カテゴリー別の優遇政策」「ライブ配信ツールの改良」という3つの取り組みを紹介した。

小紅書の広東エリア責任者・薩博氏によると、巨額の補助金と新機能「バイヤーショーウィンドウ」により、優れた商品を持つ中小ブランドが精度の高い流入を得られるという。実際に「618セール」では店舗ライブの購入者数が12倍に増加し、明確なトラフィック拡大の成功モデルとなったと述べた。

各ブランドが実践例を共有

ブランド側の発表も注目を集めた。口腔ケアブランド・冰泉のオンライン販売センター総監・安勇氏は、「美白+口臭ケア」の二重効果を打ち出した“氷河水ホワイトニングガム歯磨き”の年間販売数が2100万本を突破したと紹介。双11期間中は「シーン別訴求+ライブ配信による購買転換」戦略で、主力商品のリピート率が35%上昇したという。

また、齐心文具の羿蘭夫氏は「官民向けカスタマイズ調達プラン」を、甜秘密家居の趙汝杰氏は「没入型体験ライブ」を、英紅茶業は「無形文化遺産を活かしたストーリーマーケティング」を紹介。文具、家庭用品、食品など多様な分野で再現性の高い成功モデルを提示した。

“双プラットフォーム配信+私域リーチ”で効果的な拡散

今回のライブは、ビデオチャンネルと抖音を組み合わせた“双プラットフォーム配信”と、私域(プライベートドメイン)を活用した精密なターゲティングで効率的な拡散を実現。配信中のコメントは1000件を超えた。

劉飛娜氏は総括として次のように語った。「私たちのライブ配信は、17年目の“双11”をさらに盛り上げるためのものです。消費の活力は常にあり、表現の仕方が変わっているだけ。‘双11’は単なるセールではなく、EC業界にとっての“祭り”です。すべての会員企業の皆さんが、この機会にさらなる成果を上げられることを願っています。」

今回のイベントは、広東の企業がライブコマースを活用しながら、変化する市場環境の中でどのように競争力を高めていくかを示す好例となった。

(中国経済新聞)