NVIDIA CEOジェンスン・フアン氏:「中国がAI競争に勝利する」

2025/11/6 16:30

現地時間11月5日、NVIDIAのCEOジェンスン・フアン(黄仁勲)氏は、英《フィナンシャル・タイムズ》主催の「FT Future of AI Summit」の合間に受けた独占インタビューで、衝撃的な発言を行った。「中国が人工知能競争に勝利するだろう」。フアン氏は、中国の勝利を確信する理由として以下の2点を挙げた。

1. 規制環境の優位性

   「中国はAI開発に対して極めて現実的で前向きな規制枠組みを持っている。一方、米国では州ごとに異なる新しいAI規制が次々と生まれつつあり、『50種類もの新しいルール』が生まれる可能性がある。これはイノベーションを殺し、競争を阻害するだけだ」と痛烈に批判した。

2. 圧倒的なエネルギーコストの安さ

中国のデータセンターは巨額の電力補助金により、AIモデルの訓練・運用コストを劇的に抑えられる。これに対し、米国では電力価格の高騰と規制の不確実性が企業を苦しめている。「西側諸国は犬儒主義(シニシズム)に満ちすぎている。私たちにはもっと楽観主義が必要だ」と、フアン氏は西洋の姿勢を強く非難した。

この発言は、米中AI覇権争いが最終局面を迎えている中で飛び出したもので、会場に集まった欧米の経営者・投資家に大きな衝撃を与えた。特に、米国政府が中国向け先端チップ輸出規制を強化する一方で、国内ではカリフォルニア州やニューヨーク州が独自のAI規制法案を進めているタイミングだけに、フアン氏の「内側からの告発」は重い。

インタビュー終了後、フアン氏はさらに以下のコメントを付け加えた。 

「技術の進歩を止めることはできない。もし我々が自ら足を縛るなら、勝利は当然のごとく他者に渡る。中国は今、フルスロットルで走っている。私たちはまだスタートラインでルール作りに夢中だ」

この発言は即座に世界中の主要メディアでトップニュースとなり、Xでは「#ChinaWillWinAI」が一時トレンド1位を記録。米議会のAI特別委員会は緊急声明を出し「米国企業トップによる敗北宣言」と批判したが、シリコンバレーの多くの起業家は「現実を直視した勇気ある発言」と称賛する声が相次いでいる。

(中国経済新聞)