上海、14年ぶりに不動産税を調整、非上海籍住民も免税対象に

2025/09/22 07:30

上海市は2011年以来初めて、個人住宅に対する不動産税制度を実質的に見直す。9月19日、上海市財政局と国家税務総局上海市税務局が共同で「本市における個人住宅不動産税試行に関する政策の最適化・調整についての通知」を発表した。

新たな政策では、条件を満たす非上海籍の住民に対し、不動産税の負担を軽減する措置が導入された。具体的には、上海居住証を3年以上保持し、市内で働き生活している購買者が新たに家族の第1住宅を取得した場合、不動産税が一時的に免除される。さらに第2住宅以降を購入する場合でも、家族全体の住宅面積を合算し、一人当たり60平方メートルを超えなければ免税が適用される。

対象となるのは、①上海居住証を持ち市内で生活する高度人材や重点産業における緊急人材、②居住証を3年以上保有し市内で生活する購買者の2種類。

一方、居住証の保有が3年未満の購買者については過渡的措置が設けられ、まず従来どおり課税されるが、条件を満たした時点で既に納めた税金が還付される仕組みとなっている。これにより、政策の連続性を担保しつつ、購買者の実情に配慮した人性化設計が特徴となっている。

不動産税は年単位で徴収されるため、新政策は2025年1月1日から遡及適用される。すでに購入済みの課税対象住宅が免税条件を満たす場合、購入者は所在地の税務機関に申告し、2025年以降に余分に徴収された税金の払い戻しを受けることができる。

2011年に導入された「暫行弁法」では、2軒目以降の住宅に関する減免措置は上海籍住民のみを対象としていた。当時は非上海籍住民が市内で購入できるのは1軒に限られていたため、複数住宅に対する減免の問題は存在しなかった。

しかしその後、購入制限が緩和され、非上海籍住民も複数住宅を購入できるようになった一方で、2軒目以降の不動産税は全額負担となり、保有コストの増加が需要抑制の要因となっていた。今回の政策調整により、非上海籍住民と上海籍住民との間の税制上の差が縮小され、市場需要の喚起が期待されている。

(中国経済新聞)