智元ロボット、「副業」モードで1日30万円稼ぐ 

2025/09/10 13:30

中国の具現知能ロボット企業である智元ロボット(Zhiyuan Robotics)は、今年6月からロボットを「走穴」(イベント出演や商用パフォーマンス)という副業モードで展開し、1台あたり1日あたり約1.5万元(約30万円)の出場料を稼ぎ出している。これまでに国内外の観光地、金融機関、ショッピングモール、政府部門から100件以上を受注しており、ロボットの本業である工場や家庭への導入を補完する副業として注目を集めている。

コー・ジン・ネットワークテクノロジー(上海)有限公司の曹亜董事長は、短期的にロボット商演が単なる技術デモンストレーションから舞台劇などの深い分野へ発展すると語っている。この現象は、一時的なブームか、それとも巨大な市場ニーズか? 業界関係者は、具現知能の商業化加速を示す象徴として評価している。 

智元ロボットは、2023年に設立された上海拠点のスタートアップで、元Huaweiの技術者である彭志輝氏が共同創業者を務める。同社は、遠征A2(Expedition A2)や霊犀X2(Lingxi X2)などの人型ロボットを開発し、健康管理、娯楽、教育分野での応用を目指している。今年6月以降、観光地でのデモンストレーション、金融機関のプロモーションイベント、ショッピングモールのエンターテイメント、政府部門のPR活動などでロボットを「走穴」させ、3ヶ月で100件以上の注文を獲得した。1台あたりの標準出場料は1.5万元で、時には米国の大手企業がベッカム氏の代わりにロボットを招聘するケースもあったという。 

これらのパフォーマンスでは、ロボットが太極拳、ドラム演奏、ダンス、指舞などを披露し、観客を魅了している。例えば、上海の長寧龍之夢ショッピングモールでは、9月1日から2日にかけて4台のロボットが輪番でパフォーマンスを行い、来場者の注目を集めた。曹亜氏は、こうした商演がロボットのPR効果を高め、将来的に舞台劇やインタラクティブなエンターテイメントへ進化すると予測。実際、智元ロボットはWAIC(World Artificial Intelligence Conference)2025で、Lingqu OSというオープンソースの具現知能OSを発表し、ハードウェア統合とコスト削減を推進している。 

(中国経済新聞)