中国人民銀行(中央銀行)はこのほど、2025年第2四半期の小額ローン会社に関する統計データを発表した。それによると、2025年6月末時点で全国の小額ローン会社数は4974社にまで減少し、同業界の構造調整が加速していることが明らかとなった。
上半期の小額ローン残高は7361億元で、年初からの減少額は187億元。また、上半期に閉鎖された小額ローン会社は283社で、これは2024年通年の減少数(243社)を上回っている。
小額ローン会社の大規模な退出の背景には、2025年1月に国家金融監督管理総局が公布した《小額ローン会社監督管理暫定弁法》の施行がある。同法により、空殻企業(実体のない企業)や所在不明の会社に対する整理基準や退出手続きが明確化され、地方政府が主導する業界の健全化が一気に進展した。
例えば、北京市の地方金融監督管理局は第1弾として8社を業界から退出させると発表し、深圳市も失踪・空殻状態(実体のない状態)にある小額ローン会社・質屋・融資保証会社に対して、60日以内に退出手続きを行うよう通告した。また、河北省では87社の小額ローン会社が整理された。
広東省小額ローン会社協会の徐北事務局長は、「これまで退出のルールが曖昧で、実質的に機能していなかったが、今回の新たな管理弁法により制度的根拠が整備され、業界の浄化が加速した」と述べた。
中国における小額ローン会社は、2008年に中小企業の資金繰り支援を目的に試験導入され、その後急速に拡大。2010年から2015年にかけては、全国の事業者数が2614社から8910社に急増し、融資残高も1975億元から9412億元に達した。この時期、業界の従業者数も11万人を超え、ピークを迎えた。
しかし、2015年を境に業界は縮小傾向に転じ、人民銀行の統計によれば、2015年第2四半期から2025年第2四半期までの10年間で、小額ローン会社数は3977社減少(減少率44.4%)、融資残高は2233億元減(減少率23.3%)、従業者数は7万2070人減少(減少率63.2%)した。
業界関係者の間では、今回の大規模な整理により、小額ローン市場の健全化が進み、資金の流れがより透明かつ効率的になることへの期待が高まっている。