「なめられてたまるか」とはいかなる覚悟に依るものなのか…。
いうまでもなく、選挙の街頭演説における石破茂首相の発言に接しての感慨である。「接して」と言ってもその場に居合わせたわけではないので、いささか品位を欠く表現だということをふまえた上で、メディアの報道に依って復習しておく。
今月9日、千葉県船橋市で街頭演説に立った石破氏は、日米関税交渉について「国益を懸けた戦いだ。なめられてたまるか」と述べ、「安易に妥協しない姿勢を強調した」というのである。また、「言うべきことは、たとえ同盟国であっても、正々堂々と言う」と語ったとも伝えられた。さらに「格下も格下」という卑屈なまでのおもねり発言が顰蹙をかった赤沢亮正経済再生相のほぼ毎週というべきワシントン詣で7回の末に、トランプ大統領から、8月から25%の関税を課すとした書簡を受け取ったことへの野党からの政権批判に「国益を懸けて交渉しているときに国内から足を引っ張って、どうして国益が実現するんだ」と苛立ちを隠さなかったというのである。