米中両国の対立が深まっている中、アメリカの電気自動車(EV)大手で中国に工場を構えるテスラのCEOマスク氏が、このところ中国を称賛するコメントを発している。5月30日にツイッターで、「中国が再生可能エネルギー発電やEV分野で世界をリードしていることに気づいている人は少ないようだが、中国がどう見られようと、これらは全て事実だ」とコメントした。
この発表の数時間前に、ツイッターアカウントのWorld of Statisticsが世界の風力発電容量の上位15か国を発表し、中国が32万8973メガワットで、13万2738メガワットで2位だったアメリカに倍以上の差をつけてトップとなっている。
マスク氏は、「中国は再生可能エネルギー発電やEVで世界をリードしている」とコメントしている。
マスク氏はまた、2週間前の5月16日、Wechatについて「中国なら、Wechatでほぼ生活ができる。何でもすることができ、実に素晴らしいAPPだ」ともコメントしていた。「テンセントのようなものは中国以外にない。このAPPは実に使い勝手がいいと思う。無駄な情報もなく、コメントや動画を発表できる。何よりコンテンツ制作者がお金を手に入れられる」とマスク氏は述べている。
マスク氏はさらに、今月の初めに中国の労働者の頑張りを称賛している。「中国には極めて優秀で勤勉な人が多い。中国人は夜中過ぎ、深夜3時まで働けるが、米国人はできるだけ出勤しないようにしている」と言う。
また、「中国は『極めて強力な会社』を生み、EV分野でテスラと競争するだろう」と付け加えている。
2018年にアメリカで、駅の建設現場で働く中国人の動画が話題となり、マスク氏もツイッターで、「中国はインフラ建設でアメリカより100倍以上進んでいる」という驚嘆のコメントを発している。
マスク氏の中国への褒めちぎりはもっともであり、なにしろ新エネ車の市場であるほか、上海にテスラの特大工場が存在することから、マスク氏にとって中国は大きな意味を持つものである。
テスラは、上海工場の操業開始以来、中国で生産や市場規模を急速に伸ばしている。公開情報によると、2021年、上海工場からの納車台数は前年比235%プラスとなる48.41万台で、テスラの全世界での納車台数の51.7%に相当する。今年の第一四半期におけるテスラの新車納入台数は前年同期比68%プラスの31万台以上で、このうち中国での販売分がその59%にあたる18.22万台であった。つまり、中国の売上高は全社の6割近くに相当する。
中国では、こうしたマスク氏の誉め言葉を耳にしたネットユーザーから、「さすがビジネスマン」とのコメントが出ている。
(中国経済新聞)