中国人民銀行が2025年4月7日に発表した最新データによると、中国の3月末時点の金準備は7,370万オンス(約2,292.32トン)に達した。2月末の金準備は7,361万オンス(約2,289.52トン)で、月間では9万オンス(約2.8トン)の増加となった。これにより、中国は5カ月連続で合計28トンの金準備を購入したことになる。
注目すべきは、今回の金購入が2024年11月に金準備の報告を再開して以来、5カ月連続での純増である点だ。2025年の最初の2カ月間では、中国は合計10トンの金を購入しており、3月にはさらに2.8トンを追加した。世界金協会(World Gold Council)および中国の関連機関が発表した最新データによると、2022年11月に中国が金購入を再開して以来、2025年3月までに少なくとも344トンの金が米国、英国、スイスなど主要な国際金市場から中国に段階的に移送された。現在、中国の金準備は外貨準備全体の約5.9%を占めている。
中国が近年、金準備の積み増しを加速させている背景には、いくつかの要因が考えられる。第一に、グローバル経済の不確実性が高まる中、金は「安全資産」として認識されており、通貨価値の変動や地政学的リスクに対するヘッジ手段として重要視されている。米中間の貿易摩擦や国際的な金融市場の変動が続く中、中国は金準備を増やすことで、経済的な安定性を強化しようとしている可能性がある。
第二に、金準備の増加は、中国が外貨準備の多様化を進めていることを示している。従来、中国の外貨準備は主に米ドル建て資産に依存してきたが、米ドルへの依存度を下げる動きの一環として、金の購入が進められていると見られる。これは、人民元の国際化を進める中国の長期戦略とも関連している。
(中国経済新聞)