中国の大規模言語モデル(LLM)チーム「Monica」は3月6日深夜、世界初の汎用型AIエージェント製品「Manus」を発表した。完全独立型のAIエージェントで、複雑で変更可能な各種のタスクを行えるという。これまでのAIアシスタントとは違って完全自律的のタスク実行能力を備えており、Multiple Agent構成を採用し、実行方法はAnthropicのComputerUseと似ていて完全に独立したバーチャルマシンで行われる。また、コードの作成や実行、ネットの閲覧、アプリの操作など、バーチャル環境で様々なツールを利用し、パーフェクトな成果を直接引き渡せるというのである。
これまでに複数のAI企業がManusの再現を果たしている。MetaGPTチームは再現のルートを分析し、同じく再現を果たした李国豪氏は3月11日に錦秋基金のある発表で、Manusが業界に及ぼす影響について分析した。
CAMEL-AI.orgは、厳密に言えば会社ではなくオープンソースコミュニティーである。2023年3月21日、初期アイデアを入力すればシステムで詳しい実行ステップが自動生成され、AIアシスタントエージェントとAIユーザーエージェントがチャットをすることでタスクが徐々に実行されるというCAMELの枠組みが正式に対外発表された。
チームはその後、CAMELにインタラクティブなスキルを追加してネットへのアクセスやドキュメントの閲覧などが行えるエンボディドエージェント(embodied agent)を発表した。これらを土台にしたManusがヒットしてから、CAMELチームはCAMEL-AIの枠組みで造られたMulti-Agent(マルチエージェント)システムをベースにOWL(Optimized Workforce Learning)を発表し、目下、基準テストGAIAでの平均点が58.18点となっている。
GAIAは、Meta AIとHuggingFaceとAutoGPTチームが発表し、チューリング賞受賞者であるYann LeCun氏とHuggingFaceのチーフサイエンティストであるThomas Wolf氏も加わっているモデルで、既存のLLM基準テストが迅速に実行され、難易度のある新たなモデルへの評価に対応する。
Manusの再現を果たしたMetaGPTチームが発表したOpenManusもAI Agent製品にあたり、Manusと同じくMulti-Agentを採用し、複雑なタスクを複数のサブタスクに切り分けて様々なAgentに実行させるものである。
李氏はチームが短期間でManusを再現させた理由について、「CAMELの仕組み安定しているおかげだ。すでに多くの基盤技術や製品を整え、それぞれの基盤のAgentツールが存在している。今回は単にこれらのAgent製品をつなぎ合わせただけだ」と述べた。
また李氏は、Manusが業界に及ぼす影響について「Manusは業界に火をつける形になった。Agentへの注目度が上昇し、中国でAgentのエコロジーが発展し、Agent技術の確かな実行を後押しするものとなった。開発者も目にしており、Agentの開発にさらなる可能性が存在している」と述べた。またCAMEL-AI.orgコミュニティーを例に挙げ、「Manusのヒットを受けて昨日は5000人以上の開発者がCAMELの枠組みにおけるオープンソースの製品を使った上、意見も差し出してコミュニティー内の急速な技術の更新を支えている」という。
(中国経済新聞)