中国の配車アプリ最大手「ディディ」が、ニューヨーク証券取引所からの撤退を決定した。
ディディ(DIDI.NYSE)は、5月23日夜に開かれた臨時の株主総会の後、ニューヨーク証券取引所(NYSE)に対し、預託株式(ADS)の廃止を伝えたと発表した。また、廃止手続きを終えるまで他の取引所で上場することはないとしている。
ディディがアメリカで上場を果たした翌々営業日の2021年7月2日に、中国政府のサイバースペース管理局が、ディディに対しセキュリティー審査を行うと発表し、7月4日と9日に「ディディ出行」などアプリ計26種類が削除された。7月16日には公安部、国家安全部なども含め計7部門による立ち入り審査が行われている。
ニューヨークでのディディの株価は、上場当日の2021年6月30日には14ドル/ADSであったが、2022年5月23日の始値は1.51ドル/ADSで、また時価は670億ドルから73億ドル前後と9割近くも落ち込んでいる。
ディディは5月11日、「ニューヨークから撤退しなければ審査や業務改善が終了せず、これまで通りの営業ができない」と発表している。
ディディは2021年、売上高は前年比22.64%増の1738億元(約3兆3370億円)、一方で赤字額は前年の106億元から368%も増えて500億元(約9600億円)となっている。
(中国経済新聞)