香港の赤柱刑務所で1月8日、学業で成果を収めた38人の受刑者に対して修了証書を授与する式典が行われた。この中で、24年間にわたり勉強に励んだ51歳の俊さん(化名)に対し、受刑者として初めて現地の大学から博士号が授与された。
まだ若かった1990年代に投獄された俊さんは、2000年から高卒認定試験のコースを履修し、2004年から香港都会大学(旧香港公開大学)の通信課程を学んで学士を取得、その後2012年に修士課程へ、さらに2016年には博士課程へと進級して、24年間に及ぶ苦学の末、博士号を取得するに至った。香港では初の受刑者による博士号取得となった。表彰式では、同大学学長の林群声教授と教育語文学院の院長である銭志安教授が礼服のガウンを着せ、証書を授与した。
俊さんは、勉強をしようと決めた理由について、「つまらないことを考える時間を減らしたかった」という単純な理由を挙げた。大切なのは家族に見せたかったことであり、「服役はしているが投げ出したくなかった」とのことである。なお博士論文は、「獄中の受刑者の勉強方法について」という自身の経験に関するものだった。
(中国経済新聞)