『長歌行』は、唐の時代を舞台に、後継者争いに巻き込まれ、身一つで亡命したヒロインの復讐と愛の行方を描く。中国トップ女優ディリラバほか、最旬若手キャスト共演でおくるアクション・ロマンス時代劇である。
死の運命を逃れた高貴なヒロインが、辺境を渡り歩き復讐の戦いを繰り広げる。唐の皇太子・李建成の娘で、皇子たちもしのぐ聡明さと武術の才を備えた李長歌は、草原で勢力をふるう遊牧民族・阿詩勒部との蹴鞠の試合に潜入し、見ごと勝利に貢献。褒美の短剣を武術の師でもある叔父の李世民に贈るが、朝廷内では李建成と李世民による次期皇帝の座をめぐる争いが始まっていた。
そしてついに、李世民一派が李建成を殺害。信頼していた李世民に父だけでなく母まで殺された長歌は、復讐を胸に、男装することで正体を隠し長安を脱出する。追手から逃れる中、長歌は蹴鞠で対戦した阿詩勒部の将軍・隼と度々遭遇し、危機を救われる。お互いに素性を隠し、相手を疑いながらも助け合いを重ね、友人として絆を深めていく2人。ところがある日、川辺で負傷した長歌を助けた隼は、その友人が女性だったことを知る…。
一方、長歌の捕縛を命じられた禁軍の武官・皓都は、李世民の娘でありながら長歌を救いたい李楽嫣の牽制を受け、目的を果たせないでいた。追手が迫る中、隼と別れて国境の守備隊に武将として潜り込んだ長歌は、隼が率いる阿詩勒部と戦うことに。知略では勝ったものの劣勢に追い込まれた長歌は、隼の申し出を受け、遠い草原の地で再起をはかろうとする。
原作は、中国の少女漫画家・夏達(シャアタァ)の代表作で、日本の月刊青年漫画誌「ウルトラジャンプ」でも連載されていた同名の人気マンガ。主人公・李長歌を演じるのは、『永遠の桃花~三生三世~』でブレイクし、『夢幻の桃花~三生三世枕上書~』でヒロインに飛躍したウイグル出身の美人女優ディリラバ。その美しさに加えて、原作の主人公と同じ位置にホクロがあることから、「マンガから抜け出てきたよう」と原作ファンからも熱烈な支持を獲得した。凛々しい武人姿で華麗なアクションも披露し、新たな魅力を発揮している。敵国の将軍ながら長歌を愛してしまう相手役を務めるのは、『琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~』で注目を集め、人気子役から実力派スターに成長したウー・レイ。難しい立場にありながらも一途にヒロインを想う阿詩勒隼を、勇猛さと柔和さを巧みに使い分け好演した。
(中国経済新聞)