中国のアパレル大手「ラ・シャペル」(La Chapelle)は11月14日午前9時、香港株式市場での上場を廃止した。会社側は「日ごろの運営や事業の整理活動には大きな影響がない」と称したほか、今後も事業の整理を続けてこれまでの債務の返済に努め、経営力や経営状況の改善を継続し、再び成長軌道にのせていくとも表明している。
以前「中国版ZARA」などとも言われたラ・シャペルの店舗の運営方法は、加盟+直営といった傾向が強い中国同業他者とは異なり、すべてを直営方式としている。
このようなスタイルは、実店舗営業の各社が急成長していた10年以上前は効力があり、ラ・シャペルの直営店は中国の街中にあちこちで見られ、全盛期には計9500店以上に達していた。2014年に香港で、2017年にはA株で上場して、アパレル企業として初めてのA+H上場を果たした。
その2017年の決算によると、売上高は90億元(約1937億円)、最終利益は5億元(約108億円)で、A株上場翌年の2018年は売上高が100億元(約2152億円)を超えた。
ただしその頃に、業界への参入者が相次ぎ、通販サイトの利用者も増えたことから、実店舗型のブランドは斜陽化していった。大量の店を抱えたラ・シャペルは人件費や賃借料といった運営コストが増大し、2018年は売上高が100億元(約200億円)を超えながらも上場後初めてとなる1.6億元(約34.4億円)近い赤字を計上してしまった。
その後も業績は坂を下る一方で、2019年は売上高が前年比24.66%減の76.66億元(約1650億円)、最終損益21.7億元(約467億円)という巨額の赤字となった。さらに2020年は売上高が18.193億元(約391億円)で前年より76.27%もダウンし、最終赤字は13.769億元(約296億円)であった。危機的状態に陥ったラ・シャペルは、不採算店舗を一斉に閉鎖するなど「緊縮・集中化やコストダウン・効率アップ」に乗り出し、2022年5月には上海株式市場の上場を廃止した。店舗数は2024年6月30日の時点で155店となっている。
(中国経済新聞)