韓国の高校が中国人留学生特別クラスを設置

2024/07/8 17:30

韓国のメディアによると、第二の都市である釜山(プサン)市の金井区の高校「Peniel Arts High School」が、中国人留学生30-45人に対しダンス、音楽、美術などを教える特別のクラスを設置するという。

学校側の話では、外国人のみのクラスを設けるのは韓国の高校では初めてという。副校長が近々採用面接のため中国を訪れるとのことで、合格者は入学前の準備として来年3月まで6か月間、韓国語の授業を受ける。

また韓国南東部の慶尚北道(キョンサンブクト)では、生徒数の少ない職業高校で外国人留学生48人を集めており、来年には定員をさらに20人増やす予定という。

また同じく韓国メディアのThe Korea Timesは今年4月、2026年3月に釜山で、ボーカル、実用音楽、ボーカルダンス、作曲の各コースを設けた現地初の「国際K-pop高等学校」を開設予定と伝えた。各学年それぞれ80人で、うち50%を外国人留学生とするという。

こうした動きについて、中国人留学生が食文化や言葉や文化の違い、カリキュラムの難易度に苦しむのではないかという見方も出ている。また中国では今、オーディション番組の放映が規制されていることから、K-pop(Korea-Pop、韓国のポップス)のコースを設けても生徒が集まらないのではないか、とも見られている。

留学関連事業の関係者は、「提携先業者で、韓国志望の留学生はほぼ大学または大学院に行き、高校はほぼゼロ」と述べている。「高校については、一般的には韓国人が中国に留学するわけで、その逆はほとんどいない。韓国の方が競争が厳しい」とのことである。

食文化の違いや就職面、文化の違いなどを考えれば、中国から韓国への留学は二の足を踏むことになりそうである。この関係者はまた、「今は子供のうちにbilibiliの二次元文化の影響を受けており、日本に留学したがる人も多い」と述べている。

中国の留学サービス機関「啓德教育」は留学に関する最近5年間のデータとして、高校以下で留学する場合の対象国別に見た希望割合について、韓国はわずか0.6%であり、最も多いのはカナダで9.3%である。ただし大学(学部)留学については韓国希望者の割合が48.7%で、地域別で3番目に多くなっている。

中国の留学事情を見ると、韓国は授業料が安く地理的にも近く、出願も容易なので、留学生に占める中国人の割合は最も多い。韓国の教育省によると、中国人留学生は2016-2019年に急激に増えたが2020年にコロナの影響でその勢いが止まり、2021年は微増だった。ただし、留学生全体に占める割合は低下傾向にあり、今はおよそ4割前後である。

(中国経済新聞)