アメリカ連邦上院は現地時間4月23日火曜日、動画投稿アプリ「TikTok」の配信を同国内で禁止できる法案を79対18の賛成多数で可決した。法案は今後、バイデン大統領に決定を委ねることになる。
これに対してTikTokは、「この憲法に違反する法律はTikTok禁止令であり、われわれは法庭で争うつもりだ。事実や法律は当然われわれの味方をし、最終的に勝利するものと思っている」と表明した。
公開情報によると、アメリカはTikTokのユーザー数が1.7億人で、TikTok Shopの重要な市場の一つである。現地時間3月13日には下院で、親会社のバイトダンスに対し、アメリカでの事業を約6か月以内に売却するよう命じ、これができなければ使用禁止とするとの法案が352対65の賛成多数で可決されている。
このTikTok禁止令を実行するにあたり、法的問題の解決が重要なものとなる。アメリカで4月8日、上院商業委員会の委員長であるワシントン州出身の民主党マリア・キャントウェル(Maria Cantwell)議員は、議会議事堂でメディアに対し、下院の議案は法律面で成り立たず、「もっとよくする」と述べた。
キャントウェル委員長は、最終期限を1年に延長する考えについて、「上院は、下院の議案を受け入れられるだろうが、法的根拠をもっとしっかりさせてほしい」との考えを示した。
アメリカ・コロンビア大学ナット第一修正案研究所の政策統括であるジョンソン氏(Nadine Farid Johnson)は、「最高裁判所の長年の判例として、アメリカ人が国外で手に入れた情報や思想、メディアの第一修正案の権利を守っており、TikTokの禁止案が可決されるとこの権利が侵害される上、本当の見返りも得られない」と述べている。
中国外務省の汪文斌報道官は、4月24日の記者会見で、この議案に対し「私も同僚も、商務省の報道官も、以前に中国側の原則的立場を述べている」と話した。3月14日にアメリカ下院でTikTokの禁止議案が可決された際に、中国は外務省、商務省ともにコメントを出している。
汪報道官は、「アメリカ下院で可決したこの議案は、アメリカを公平な競争の原則や国際貿易のルールと相対する側に立たせるもので、いわゆる『国の安全』理由に他国の優秀な企業を締め付けても構わないのであれば、公平でも正義でもなくなる。他人のいい物を見ると策を講じて奪い取る、これでは完全に強盗の論理だ」と述べた。
さらに汪報道官は、「TikTokは完全に米国の法律で登録され、合法的に経営し、アメリカの管轄下におかれているにもかかわらず、アメリカが何が何でも国の力を使って締め付けようとしており、禁止令だけでなく力ずくで分離しようとしている。言論の自由を訴え自由な市場経済の国だなどと言っておきながら、国の力で特定の企業を締め付ける、これは本当に皮肉なことだ」と述べた。
(中国経済新聞)