中国、預金額が増加傾向 1人あたり10.8万元で第1四半期は6000元以上増加

2024/04/17 07:30

中国の中央銀行である中国人民銀行が4月12日夜に発表した2024年第1四半期の金融統計および社会融資のデータによると、中国元での貸付額は9.46兆元、社会融資額は累計12.93兆元(271.53兆円)それぞれ増加しており、ともにこの時期では過去最高であったが、伸び幅はいずれも前年同期より減った。また個人預金額は8.56兆元(179.76兆円)増えており、人口14億人で計算すると1人あたりの新たな預金額は約6114元(13.06万円)となる。

同じく中国人民銀行が発表した2024年3月の金融統計データによると、外貨も合わせた3月末時点での預金残高は前年同期比7.6%増の301.41兆元(6329.61兆円)であり、うち中国元は同7.9%増の295.51兆元(6205.71兆円)であった。

中国人民銀行、第1四半期の金融統計データを発表。

第1四半期、中国元の預金額は11.24兆元(236.04兆円)増え、うち個人分が8.56兆元(179.76兆円)増、非金融企業が2225億元(4.45兆円)増で、公的預金は2855億元減、非銀行以外の金融機関の預金は1.56兆元(32.76兆円)増であった。また外貨預金は第1四半期に347億ドル増加したが、3月末時点での残高は前年同期比8.7%減の8326億ドルであった。

中国ではこのところ、個人の預金残高が増える傾向にあり、去年10月以降は5か月連続で上昇し、2024年2月末の時点で143.24兆元(3008兆円)である。このペースで行くと3月末には150兆元(3150兆円)を超え、中国元の全預金残高の半分以上となる151.8兆元(3187.8兆円)になると見られる。

人口14億人で計算すると、2024年第1四半期は1人当たりの預金額増加分が約6114元(13.07万円)で、3月末現在の預金額は平均10.84万元(231.6万円)と、11万元(235万円)に近づく勢いである。

貸付額はやや減、製造業は急増

貸付額については、中国人民銀行の概算によると2024年3月末時点で前年同期比8.7%増の390.32兆元(8196.7兆円)、うち法人などに対する中国元分の貸付残高は同9.2%増の244.59兆元(5136.4兆円)であった。2024年第1四半期の全社会における累計貸付額は前年同期より1.61兆元少ない12.93兆元(271.53兆円)で、うち法人向けの中国元貸付額は同じく1.59兆元少ない9.11兆元(191.3兆円)であった。

4月16日時点の為替レート:1元=21.36円

(中国経済新聞)