米映画界最大の祭典、第96回アカデミー賞の発表・授賞式が日本時間3月11日、ハリウッドで開かれ、宮崎駿監督(83才)の劇場版アニメ『君たちはどう生きるか』が長編アニメ映画賞に輝いた。日本の映画が、同賞を受賞したのは2003年、宮崎監督の『千と千尋の神隠し』以来21年ぶり2度目。
宮崎監督が長編作品からの引退を撤回し、原作・脚本・監督を手掛けた本作。少年時代に感銘を受けた書籍「君たちはどう生きるか」からタイトルを採用し、自伝的要素を含むオリジナルストーリーとして完成させた冒険活劇ファンタジー映画だ。公開日まで一切詳細情報を明かさない異例のプロモーションも話題を集めた。主題歌は、米津玄師による「地球儀」。山時聡真、菅田将暉、柴咲コウ、木村拓哉らが声優を務めた。
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宮崎駿は1941年1月5日生まれ、東京都出身。学習院大学卒業後に入社した東映動画(現・東映アニメーション)でアニメーターとして頭角を現し、1978年放送のテレビアニメ「未来少年コナン」にて、初めて単独で演出を担当する。1979年に「ルパン三世/カリオストロの城」で劇場映画監督デビュー。1984年、自身のマンガを映画化した「風の谷のナウシカ」で一躍有名に。その後、1985年に設立されたアニメ制作会社スタジオジブリにて「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」「魔女の宅急便」「紅の豚」「もののけ姫」といった監督作を発表し、アニメーション作家としての地位を確たるものとする。
2001年の「千と千尋の神隠し」では、第75回アカデミー賞の長編アニメーション賞と、第52回ベルリン国際映画祭の最高賞である金熊賞を受賞。そのほかの主な監督作に「ハウルの動く城」「崖の上のポニョ」「風立ちぬ」などがある。2001年には自身が館主を務め、設計も手がけた三鷹の森ジブリ美術館が東京都三鷹市にオープン。2004年にアカデミー名誉賞、2005年にヴェネツィア国際映画祭の特別金獅子生涯功労賞を授けられた。
(中国経済新聞)