中国、2023年の未就園児数は534.5万人減 3年連続で前年割れ

2024/03/7 15:30

中国は、このところ出生率低下により、幼稚園を初めとする教育事業に深刻な影響が出ている。国家統計局が2024年2月29日に発表した数字を見ると、普通高校、中学校、小学校、特殊学校では生徒・児童の募集数や在校生の数は横ばいだったが、幼稚園など未就園児の数は2022年から534.5万人減って4093.0万人となり、3年連続での減少となった。

未就園児は2004年以降、入園率の上昇とともに年々増え続け、2020年にはピークの4818.3万人となった。しかしその後は2023年まで3年連続で前年割れとなっており、出生者数の低下がそのまま響いていることがわかる。特に2023年は減少幅が11.55%に至っている。

中国の出生者数は、一人っ子政策が緩和された2016年と2017年は1700万人以上であったが、2018年から急減し始め、2020年には1200万人まで下がった。

これに伴って未就園児の数が急減することから、各地で幼稚園が閉園に追い込まれている。また出生率の低下のほか、都市化が進む中で大規模な都市に人が集中するようになり、教育資源の見直しが迫られている。子供の数は、人口構造の変化、ならびに地域間格差により減少し、特に農村部や町村部で少子化が進んでいる。

中国はこのような状態を前に、教育部門が資源の配分の見直しを進めている。湖南省教育庁は、幼稚園や小中学校の数を適度に見直し、公立幼稚園の新設や拡張を進めるほか、原則として農村部では幼稚園をこれ以上増やさず、町や村のこども園の管理を改善することで少子化に対応するようにとの通達を発している。

こうした措置は、教育分野における人口構造の変化という課題への対応であり、また政府部門がこのような変化に前向きに反応し、見直しを進めているという姿も見える。人口の減少が進む中、教育資源を適正配置して教育の質や持続性を確保しようとしている。

(中国経済新聞)