CATLとディディ、合弁で電池交換の会社を設立

2024/01/30 14:30

1月28日、中国の配車サービス大手「ディディ」と車載電池最大手の「寧徳時代」(CATL)は、電池交換事業に向けて合弁会社を設立すると発表した。配車用車両を皮切りに様々なEVに対しサービスを提供していく予定という。CATLはまた、ディディの傘下にある小橘能源とともに、新エネ車対する蓄電・充電の統合といった面で、より広範囲に提携していく意向も示した。

CATLは、「公共交通は利用者が膨大でエネルギー補充も多く、スピーディーな対応が求められており、電池交換サービスは利用の場として極めて価値がある」と表明している。今回の合弁会社設立により、交換ステーションの大規模な建設や、交換用車種の普及、公共の場での運用効率アップ、そして環境配慮型交通への転換を目指してディディと緊密に連携するという。

CATLにとって、電池交換事業の実施は今回が初めてではない。2019年以降、哈囉出行(Hellobike)、螞蟻金服、蔚来(NIO)などと提携合意しており、2022年1月には100%子会社の「時代電服」が電池交換、急速交換、Appによるトータルソリューションを施す電池交換サービスのブランド「EVOGO」を発表して、本格参入を果たしている。さらに2023年3月末には、「板チョコ型電池交換パック」の量産開始を発表している。

現在自動車メーカーにより行われている電池交換事業はほぼ自社の車を対象にしたもので、配車については車種が膨大で、電池パックの規格や仕様、接続口もそれぞれ異なり、交換時の基準制定については目下、開発段階に置かれている。

中国で初めて電池交換のネットワークを設けた蔚来は、「より多くの自動車メーカーと電池交換技術をシェアすることで、ステーションの利用率アップや交換車種の普及を果たす」とのアイデアを掲げている。

蔚来は電池交換について、2023年11月以降、長安汽車、吉利ホールディングス、江淮汽車、奇瑞汽車の各社と相次ぎパートナー体制を築いている。交換する電池の規格や技術、サービス網の整備、交換車種の開発、電池の管理や運営など、様々な分野で提携してビジネスの輪を拡大している。

一方CATLは、自社の電池をできるだけ多くの車種で利用させることで「標準化部品」とする方策を講じている。以前に「板チョコ型電池交換パック」について、「最新技術であるCTPを採用し、重量エネルギー密度は160Wh/kg以上、体積エネルギー密度は325Wh/L以上で、電池1ブロックでの走行距離は200キロ前後。世界で発売済み、または3年以内に発売されるEVの80%に適用可能」と説明している。

(中国経済新聞)