アメリカで1月21日、税関のデータとして、中国は去年7月以降ガリウムとゲルマニウムの対米輸出がゼロになり、日本向けもガリウムが4分の3に、ゲルマニウムが3分の1に減ったと報道された。
共に主要原材料であるガリウムとゲルマニウムで減少幅が違うのは、中国の主導権の強さの違いによるものである。公開資料によると、ガリウム、ゲルマニウムともに先進半導体のチップの主要原料であるほか、ハイテク兵器の製造にも用いられ、生産量はともに中国が最も多いが、世界に占める割合はガリウムが95%、ゲルマニウムが60%である。
中国は2023年、ガリウムの輸出総額が前年比で3分の2となり、ゲルマニウムも同じく8%減った。香港の「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」は関係者の話として、「中国のガリウムとゲルマニウムの輸出規制は、アメリカやその同盟国による中国向けチップ輸出禁止への対抗策である可能性が高い」と報道している。
中国社会科学院世界経済・政治研究所の高凌雲氏は、2023年10月12日に、「欧米諸国は今、世界のサプライチェーンから中国を締め出そうとしているが、アメリカを代表とする西側諸国は、レアアースなど金属類について中国への依存度がかなり高い。かねてから中国に代わる供給源を求めてはいるが、実現は容易ではない」と述べていた。
アメリカ国防総省の報道官は、中国がガリウムとゲルマニウムの輸出規制を発表した際に「他の製品の廃棄分からガリウムやゲルマニウムなどの主要原材料を回収できる」と言っていた。すなわち、アメリカが中国向けに禁輸措置を講じても、中国がそれに対抗措置を講じても、成果を見出すには年間単位で計算する必要がある。この間に双方とも、実際の効果を見ながら調整を加えた上、相手側の打ち出した策に応じて解決策を求めていくことになる。
(中国経済新聞)