国際社会では、新型コロナウイルスの収束後も公衆衛生に関する話題が後を絶たない。現在行われているダボスフォーラムでは、「疾病Xに備える」(Preparing for Disease X)とのセッションが設けられている。
疾病Xとは、国連の定めによると、人類における未知の疾病を意味するもので、初めて発生した際はほとんど知識がなく、命にかかわるのか、感染力が強いのか、生活を脅かすものなのか定かではない。しかし科学者は、「X」はいつでも起こり得るものなので準備をしておくべきだ、ということを知っている。世界保健機関(WHO)も、「X」は死者の数が新型コロナウイルスの20倍になる恐れがあると警告している。
製薬大手アストラゼネカのデイヴィド・フレドリクソン(David Fredrickson)上級副社長は、ダボスフォーラムで現地時間1月15日、注目を浴びているコロナの予防やAIなどへの質問に答えたほか、中国の医薬品の研究開発力について、「世界の医薬品開発の革新源になっている」と評価する発言をした。
中国は極めて重要な市場であるというフレドリクソン副社長は、「われわれは常に中国に目を向けている。1990年代初めから、中国で40品目以上の薬を発売してきた。また、中国には各地で16000人の社員がおり、研究開発、生産、販売、営業に携わっている」と述べた。
フレドリクソン副社長は中国市場について、今は中国を(医薬品開発の)革新の源だと見ていると言う。「自国だけでなく世界の革新の源である。細胞治療を手掛けるAbleZeta社や亘喜生物、あるいは康諾亜生物とも、特定の抗体のカップリング割合について提携をしているし、低分子内服薬のGLP-1について誠益生物と提携している。いずれも数か月ほど前から始めた事業だ」と述べている。
アストラゼネカは去年12月に、細胞製剤の研究開発を手掛ける中国のバイオテクノロジー会社「亘喜生物」をおよそ12億ドル(約1758.8億円)で買収すると発表している。フレドリクソン副社長は、「引き続き中国で優れたイノベーション型パートナーを発掘し、提携を続けていきたい」と述べている。
(中国経済新聞)