ネットイース、アクティビジョン・ブリザードと1年ぶりに「再同盟」か

2023/12/29 20:30

2月25日、マイクロソフトが子会社化した米ゲーム大手「アクティビジョン・ブリザード」は中国の複数のゲームメーカーと「中国サーバーの復活」について交渉し、この中で大手のネットイースとの提携再開を決めたと伝えられた。これに対してネットイースはコメントせず、ブリザードも「いまのところ教えられる情報や更新内容はない」と答えた。ブリザードは1か月前に、ネットイース、テンセントなど複数のゲームメーカーと中国のサーバー復活について交渉したが、双方とも明確な反応はなかったという。

ネットイースとブリザードが「手切れ」して1年が経った中、業界ではブリザードが中国にサーバーを復活させる方向で動いていると見ている。

10月にマイクロソフトが687億ドルでブリザードを買収したことでお膳立てがすべて整い、各社の了解も得たことで、中国でのゲームサーバー復活へ交渉する可能性が生じた。さらには「手切れ」の張本人であったブリザードのBobby Kotick CEOが、12月29日に退任すると発表している。

ゲーム産業のアナリストである張書楽氏は、ブリザードがネットイースを選んだことについて、中国サーバー復活の最短ルートであり、ブリザードのIPゲーム改良を狙うマイクロソフトにとってベストチョイスであると言う。「ビジネスに永遠の友人はなく、あるのは永遠の利益だけで、ブリザードのCEO退任はある意味で一つのステップとなる」と述べている。

ネットイースとブリザードの「再同盟」について、ネットイースゲーム傘下のゲームコミュニティー「大神」で「魔獣世界」が再配信され、12月21日から更新が始まったことが理由であると、業界内の著名人以外でも思われている。BBSを見ても12月21日まではこれに関する内容がなかった。業界関係者は、このBBSでの最後の情報はネットイースが「魔獣世界」の配信をやめたことだと言い、その情報はもう見当たらなくなっている。

張氏は、ネットイースにはサーバーや呼び戻せるスタッフが存在する上にライセンスの再開が迅速だというメリットがあり、ブリザードにとっても中国のサーバー復活へ手っ取り早い方法だと見ている。ただし、ネットイースからすれば、マイクロソフトが中国ゲームメーカーの目玉事業であるスマホゲームへの参入を狙ったことが提携の一番のきっかけである。

業内関係者は、ネットイースはこれまでブリザードの傘下で14年間ゲームを手掛け、ゲーマーのデータも保存しているので、ブリザードのゲーム事業を担えばサーバーも3か月以内に動かせると見ている。他のメーカーはライセンスの再申請などといった理由で、もっと時間がかかる模様である。

(中国経済新聞)