2024年の大学入試まであと半年となった中国で、各大学がエリート入学に向けての特別クラスの生徒募集を始めている。中でも注目度の高いのが「少年班」である。40年以上前に中国科学技術大学で導入され、今は清華大学や北京大学などで計10クラスに広がり、「スーパー少年」の養成に一段と目が注がれるようになっている。
この「少年班」は特別な定義はなく、おおむね大学入学を目指す高校2年生以下を対象としたクラスを指す。現在は中国科学技術大学(中科大)、西安交通大学、東南大学、清華大学、北京大学、西湖大学の6校で計10クラスが存在し、每年の募集人数は合計すると約1200人である。
「少年班」は、1978年3月に中科大が「スーパー少年」の養成を目標に初めて設立し、科学者など数多くのイノベーション型人材を輩出した。満15歳以下の高校2年生以下を対象に、每年40-50人を集めている。
中科大は設立から30年となった2008年、この「少年班」を「少年班学院」に格上げして、年齢基準を緩和し入試合格のラインを引き下げた「少創班」を設置した。募集人数は240-290人に拡大し、每年応募者が殺到している。
中科大の2023年の「少年班」入学者は計433人で、うち「少年班」が45人(主に安徽省、江蘇省、広東省出身)、「少創班」が388人となっている。
また、清華大学の「少年班」は、数学英才班、丘成桐数学リーダー計画、物理到達計画の3クラスがある。
数学英才班は2018年2月に設立され、丘成桐氏が主任教授となって高2、高3、卒業生を対象とし、入試は免除で成績が一流大学ラインに達すれば入学となる。每年の募集人数は100人前後である。
丘成桐数学リーダー計画は2020年12月に発足し、募集対象は中学3年生以上と幅を広げ、人数を每年100人以内とするなど、選考に力を入れている。
また物理到達計画は、北京大学の物理卓越計画に対するものとして2023年4月に設置され、成績優秀で物理について際立った才能を有する全国の高校生を対象としている、入試の点数が一流大学ラインに達すれば入学で、博士課程までのエスカレーター養成となり、2023年の実質募集人数はおよそ60人である。
北京大学の「少年班」は今、数学英才班、物理卓越計画の2クラスがある。数学英才班は2018年に同大数学学院のもとに設立され、選抜の後に入試を受けて点数が一流大学ラインに達すれば数学系の学科に入学できる。募集人数は以前30人であったが、2022年から100人に拡大している。
物理卓越人才計画は、中3~高3を対象に2022年1月から募集を始め、推薦に合格すれば無試験で物理学科に入学できる。募集人数は100人以内である。
(中国経済新聞)