「貴人鳥」、スポーツシューズ・ウェアからの撤退を発表

2023/09/26 14:30

中国のスポーツウェアブランド「貴人鳥」が、36年間続けてきたシューズ・ウェア事業から撤退すると発表した。

貴人鳥は9月22日、「スポーツシューズやウェアについて、司法整備を始めてから売上が落ち込んで赤字続きとなり、競争も激しくなっている。よって、ライセンス付与や売却、リースといった形で「貴人鳥」や「Prince」などのブランドも含めて資産を処分し、徐々に撤退する形を講じる」と発表した。

貴人鳥は今後、東北部の全面新興という国を挙げての取り組みに合わせ、食糧事業を経営の柱に据え、社内の様々な資源や力をすり合わせて優先的かつ重点的に伸ばしていく。また、企業誘致や代行業務は引き続き安定運営をはかっていく。

貴人鳥について公式データを見ると、なじみのスポーツウェアのブランドであり、2014年に「スポーツブランド初のA株上場」という触れ込みで上海での上場を果たした。その1年後に株価は最高値の69.37元(約1408円)となり、時価は同じくスポーツブランド「Li-Ning」をはるかに上回る400億元(約8119億円)以上となった。しかし9月22日の終値はわずか1.84元/株(約37円/株)で、時価は29億元(約588.6億円)であった。

欧睿データによると、2021年の中国のスポーツシューズ・ウェアの市場シェア上位5社はナイキ(25.2%)、ANTA(16.2%)、アディダス(14.8%)、Li-Ning(8.2%)、スケッチャーズ(6.6%)の順である。これらを合わせると70%を超え、大手集中化傾向がうかがえる。

貴人鳥は、2021年の自社のシェアについて、以上のデータやANTA、Li-Ningが発表した売上高から0.28%-0.31%と推測している。販売店の数も、2019年の2358店から2023年上半期には1584店まで減っている。

(中国経済新聞)